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少女は異世界ゲームで名を揚げる。~ギルド『放課後クラブ』はエンジョイプレイを満喫するようです~  作者: ゆめみじ18
EX第9章「正しい時間軸」西暦2037年10月7日

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第684話「転・安眠を求めて」

 現実世界、西暦2037年10月8日、17時00分。


 ゲーム内の作戦会議の前に、現実世界での作戦会議……。

 天上院姉妹は自分達の家で、VRMMOゲーム機デバイスそのものの設定設計を見直すことから始めた。

 簡単に言うとVR機『テンジョウ』の設計見直しである。


 天上院姫がこれまでのまとめを咲に話す……。それはとてもSFチックだった。

「まず前提条件として、ナ○ブギアは別件で問題外として、ア○スフィアは視覚や聴覚の情報を脳に送り込んで、仮想世界を体感させている。電磁パルスの出力は大幅に弱められ、脳の破壊は物理的に不可能となったが、同時に解像度が若干低下している。だからア○スフィアからゲームを始める事にしたんだ。元々、咲がゲームを一番最初に遊び始めたのはココが大元となる。で、ソウルトランスレ○ターも脳の中の魂に情報を送ることが出来る……と……。だから五感に違和感がなく、痛みも普通に感じると……」

 

 咲も現状を再確認して、納得する。

「うん、最初こそ知らないし解んなかったし流行だと思って乗っかったから仕方ないけどさ。それって元々の記憶を最初期まで遡ると、絵を描いている時や妄想をイメージしている時の情報を、〈他者が執筆したかった〉事にどうしても繋がる訳でしょ?」

「まあ、真相を暴くとそうなる、むしろそうでなければならない」

 本質を見失う訳にはいかないので、そこは誤魔化さず包み隠さず話す。


 で、咲がありのままを受け入れながら、その上でどう打開策を取るか検討する。

「確かに私達は、最初は〈心で戦う〉がベースにあった。でもそれは創作上の意義であって、本当にイメージするだけで何でも出来るようになるなら、そもそも小説や絵、漫画を描く必要がない。意義が無くなっちゃう訳よ、私達〈元の世界〉の住民がソレを真似をしたらさ……」


 姫はもっともだなと相づちを打ちながら更に補足する。

「まあそうなるな〈心〉は確かに大事だが、〈脳〉に私達は意義を感じていない、重要なのは〈脳〉から伝達される〈両手〉のほうだ……。絵でも小説でも、脳だけで全て完結している機械設計ならば、そもそも〈意義がない〉わけで、そこが大きく欠けている……。〈行動と意思が一致していない〉に繋がり、VRゲームは〈意思だけで動くゲーム〉という事になる、だから〈行動を最終意思決定する両手〉はどうしても必要なんだ。仮に機械設計を続けるとしてもな……」

 


 やっぱり重要なのは〈両手の方〉か……と咲も同じ結論に達する。

「だから今は〈脳〉が〈インターネット〉という〈昼も夜もない世界〉にずっと接続され続け、その中のサーバー、〈機械が出来る物理現象の中で何でも出来る〉形になってるから〈眠れない現象〉が起こっているんじゃないかしら?」

 ちょっと無理くり繋げた感じはするが、〈脳〉が〈インターネット〉に繋がってる状態は、確かに的を得ているだろう。


 姫もあんまり機械には詳しくないが? とりあえず理解できる所までは話を進める。

「で、脳が危険信号を出しているぐらいの異常事態がずっと続いている訳だから、まず〈脳に負荷がかかりすぎている〉のはまず間違いない、と……」

「そうだね、目測だと。ア○スフィアは脳使用率100%、手使用率0%。ソウルトランスレ○ターは、機械を使って無理やり思考を加速させてるリアルな夢状態だから、脳使用率150%、手使用率0%。って所かしら? 目測だけど……。で、作中で出てる〈心意〉は、脳の心が強く願った状態で発現してるから。脳に強い負荷をかけないと心意は発動しないと逆算できる……と」


 姫は、そこまで聞くと「アホだな」と思うのは、きっと〈真相や真実〉を知ったからだろう。

「手の使用率を軽く上げるだけでも大分変わるのにな……」


 で、現状のVRゲーム機『テンジョウ』の設計図をどうするかに戻る。

 GM姫は代替案として話を広げる。

 とりあえず手に伝わる電気信号は収集しないとマズイ……。

「じゃあ、脳使用率50%、手使用率50%ぐらいにするか? 合計使用率100%を超えるのは論外としてだ……」

「まあ合計100%超えは〈軍事用〉とか〈違法〉とか、そういう分類に入っちゃうよね……健康体の維持が第一番だし……、安全を確保できなきゃ量産も出来ないよ……。でも通常がフルスペック100%ってキツくない? PCでも常にそんなに負荷かかってないよ……?」


 姫は「それもそうか……」と考えを改める。

「そうかー、じゃあ、合計使用率の上限は80%ぐらいのセーフティ機構が妥当か……。脳使用率40%、手使用率40%、あとは外部のPCスペックやインターネット環境に依存する……とかそんな感じか?」

 何とか打開案が観えてきた。


「それくらいの脳の負荷だったら安眠出来るかな……?」

「イヤどうだろ……? インターネットに繋がってる事自体は変わらないから、熟睡は出来ないんじゃないか? ネット依存しすぎだろ、現代っ子か? 寝ててもネット繋がってるとか……、せめて〈スリープモード〉になって欲しいよな。現実世界でマジで寝る体制になったら全自動スリープモードになって、ネットから遮断、自身のPC内だけでの処理は可能。それだって自宅のPCを電源オフにすれば完全に熟睡できる……とか……目測だけど」

 とりあえず、ソウルトランスレ○ターよりは家庭用機器にはなってきた――。


 咲は当初の目的である安眠を求める。

「じゃあ、変な話、作中で熟睡・安眠するには〈自宅PCの電源も切った〉とか書いてないと、安眠出来ないわけっスか……?」

「塩梅が難しいなあ~……とありあえず〈自動スリープモード〉はいる。スリープモード中の脳使用率を極力下げれば良い。脳使用率20%か、10%か……、で、寝てる間に意思決定とかされても困るから、手使用率は0%にしないと……」


「それで安眠できる……?」

「安眠は保証できないが。勝手に意思決定して書面に契約のサインを自動で書くよりかはマシ……」

 契約書に自動サインとかいう、もっとややこしい案件が出てきた……。


「あ・ん・み・ん~~~~! え!? 自動安眠機能は無いんすか!?」

「いや、今思考は巡らせてはいるが、それやるぐらいだったら手動で電源切ったほうが、安全安心確実じゃないか? 手の意思決定も使ってるし、リアル方面で……」


「……なるほど、それは一理あるな、全自動で安眠モードになる方が、把握してなくて解んなくなるか……」

 姫の提案もごもっともだな思う咲だった。

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