第680話「転・光と闇のスキル」
何だかんだで、言語の壁を翻訳してくれるモンスターに出くわし、最古来歴の言語を古来モンスターを経由して心氣を打ち込むことには成功した。……何かアンノーン的なモンスターだった。
で、打ち込んだ内容はこちら。
◇
〈文法型の心氣で打ち込んだ内容――。〉
光と闇、闇は実体がない。
善と悪、悪が闇とは限らない。
闇を倒す方法、それは○×△□――。
◇
〈闇は実体がない〉という文言を、過去の人達が苦戦した結果の経験談をここで書いて良いのか迷ったが、だからといってきちんと1億年後に継承される保証も無いので、これ以上核心的な事は書かないでおく。
その答えはむしろ〈今現在歴〉で欲しい情報だったからだ、ここでは考察や推論を弾ませておく程度でいいだろう。
「……そういえば、このゲームに光と闇の属性タイプって無いね、善悪はよく聞くけど」
「あ~……そう言えばそうだったな……、光も闇も定義が曖昧だな、まあ〈心〉なんてそんなもんだろうが……」
〈元〉の定義は一応思考は巡らせたが、そういえば光と闇の定義が、適当というかその場の気分で決まっていた……。
天上院姫は色々思考を巡らせた後に、やっぱり闇のスキルを使う事を決意する、だが。
「まあ、ワシの夢はラスボスだから闇のスキル使うのは良いんじゃが。だからといって咲が光のスキルを無理に使う必要は無いんじゃぞ?」
天上院咲は、極めてとばっちりだが、それでも一緒に歩いていくと決め込んでいるので、光のスキルを持つことに別に抵抗感は無い。
「いいって気にしなくて、やりたくてやってるだけだから。それに、1個ぐらい光のスキルを好き好んで選択したってバチは当たらないでしょ?」
どうやらこのイベントで〈光のスキル〉と〈闇のスキル〉を手に入れそうだ。
その時、洞窟内に光と闇の妖精がポワっと舞い降りてきた。
「ほほお、これが光の力か~、確かに光の意思と同士は途絶えさせちゃいけないわね」
「フフフ、闇の力でちょっと遊びすぎたか……w」
確かに、そろそろ光の勢力が反撃に転じても良いんじゃないかなと思うぐらいには闇が邪魔になってきたので、2人の意見は珍しく一致していた。
「……光のスキルはむしろ今現在歴サーバーに必要なスキルだから、最古来歴はこの辺にして、元に戻ってから試し斬りするか、光も闇も……」
「そうだね、その方が良さそうかも……!」
そう言って、かなり珍しい情報の保存方法を最古来歴で実験設置してから、今現在歴に、現実世界で1時間程度でポンポン帰ってくることにした2人だった。
◇
現実世界、西暦2037年10月7日、18時00分。
仮想世界、EW世界線018・今現在サーバー。
今現在歴2037年、季節は夏、第一の街『始まりの街ライデン』。
大転移門により戻ってきた2人、もうちょっと古来に居ても良かったが、何だか子供の悪戯心が過ぎたがどうか解らなかったので戻ってきた。
簡単に言うと怖いもの観たさである。
「さて、安全地帯に戻ってきたということで、このあとどうする? スキルの試し斬り? 実験の結果調査? それともログアウトしてチルタイムか?」
ちなみに、最古来歴サーバーや最未来歴サーバーに居る状態でログアウトすることも可能だが、何か条件反射で今現在歴サーバーに戻ってきてしまった。
時間は18時なので2時間は軽くゲームの世界にログインしている、初めての経験でドっと疲れも出てるかもしれないのでログアウトでも良いが……と姫が言う。
咲が迫りくるタイムアウトを気にしながら言う。
「んん~~、実験結果も気になるし、光のスキルも試したいし、でも疲れてるのは事実だし~~……。じゃあ今日はもうご飯食べてお風呂入って寝よう! お楽しみは明日に取っておきます!」
全力で明日の自分に任せた咲。
GM姫はゲームセッション終了の音頭を取る。
「了解! じゃ私達はログアウトするか! 明日はエンペラーも呼ぼうぜ~! 久しぶりに3人で冒険したい~!」
結局何だかんだの色々な困難を、2人で今回も片付けてしまった姉妹である。
たまには仲間を頼ったほうが良いよな、と2人も薄々感じているが、出来てしまったものはしょうがない。
「そうだね、じゃあ今日はもう体調優先で休もう! んじゃログアウトするよ~」
「オ~、また明日ね~~~~!」
と言って、2人共現実世界にログアウトしてその日1日が終了した……。
咲は現実世界の夜空を見上げる、今日も今日とて星と月が綺麗だった……。




