表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
少女は異世界ゲームで名を揚げる。~ギルド『放課後クラブ』はエンジョイプレイを満喫するようです~  作者: ゆめみじ18
EX第8章「鈴の湯ガーデンリベンジマッチング」西暦2037年10月4日

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

698/789

第649話「承・動乱の前に」

 夢と現の微睡みの狭間の中。

 3人神様は左右の目をなるべく微調整しながら幻視する。


 ――まずは、どの世界に風移動しても逃がしません! 文法型の心気! 春夏秋冬(しゅんかしゅうとう)(ざん)! 決着はこの場所で必ずつけます!


 ――今のウチ1人じゃ勝てない! だから力を貸してくれ! オーバーリミッツ!

 ――お前は立派な神様だ! だけどウチは! 天上院咲を超えて行く!


 ――妖精精霊の分際で! 言葉足らずなんですよ! その力強さ!


 ――大昔の自分を見るようで! それがとっても! お腹が減るんです!


 ――長期戦になると思う? 短期戦になると思う?

 ――咲の気持ちを考えると、長く遊んで欲しいなぁー。


 ――立派なラスボスを育てたわね。

 ――そんなつもりなかったんだけどな。でも立派にラスボスを受け継いでくれた気がする、今ではそう思う。


 ――咲ー! 諦めるなあー!


 神3人は正しい未来を正確に幻視した。

 紆余曲折あるかもしれないが、どうやら3人が見た未来は、ほぼ確定事項のようである。


「……、ちょっと先の未来が見えたね」

 天上院咲が目を白黒させながら、2人を見て声色のトーンを真面目にして言う。

「そうですね、その未来になる前に、先に温泉入っちゃって下さい、私の願いでもあるので……」

 桜愛夜鈴も見たのか、その上で思考を温泉へとスズ達が誘導する。彼女達は結構優秀だった。戦場で場数を踏んだらしく、その見た目の身長差からすると考えられないほど優秀だった。

「……、そうじゃな。このタイミングしか無いな、温泉入る時間」

 2人の成長と慎重な冷静さ具合に感心する現在の創造神、天上院姫は温泉卵を食べながら言う。


 ということで、司祭は問答をする前に〈許され〉元の場所に帰された。


(普通の人間が居ない!?)

 赤スズゴーレムが心の中で熱烈なツッコミを入れる。

(ついでに読者視点も居ない!?)

 青スズ機械が心の中で豪快なツッコミを入れる。

(桃花先生という名の普通の人間が恋しい……!)

 桃スズ人形が心の中で自然なツッコミを入れる。

 

 宿屋の中を徒歩で移動中、咲は夜鈴に疑問を投げかける。それは幻視した未来の出来事へのツッコミだった。未来視した上に千里眼まで使ったみたいである。

「何で皆あんなに必死に急いでるんです? ゆっくりでいいでしょ?」

「アレじゃない? 締切とか期間とかの制限時間、私達には基本無いからさ」

「あーあと、時間事態が〈走ってる〉のかもしれないよ?」

 まるで皆、時間を翔けるのではなく、時間に追われているように見えたそうな。


 創造神と共に、遠い昔、遠い過去に〈時間の使者〉でもあると法螺(ほら)を吹いていた、創造神になる前の記憶が蘇る、それを自覚し、現実のものとなっていた事に驚きを隠せない現在の神の巫女、姫の体がテキトウに言う。

「あー……それだけはワシのせいじゃな、ったく生卵は……」

 同時に人間をとても広い意味で〈生卵〉と表現した事にも、別の人間からから見れば違和感が残る。ここには人間は居ないが……。



 咲と姫は、露天風呂場で自分達の衣服を脱ぎ、鈴の湯温泉にゆっくりと浸かる……。スズ達はお客様がちゃんとお風呂に入ってくれた事に、自分達の使命を果たせたと、心から安堵していた。たったこれだけの事なのにそれが出来なかった、そういう意味でもリベンジだった。


 別に仮想世界、電脳ゲーム内だから衣服を着たままでも温泉の中には入れるが、それだと現実味がないので服を脱ぐことに。決して彼女らにとってはサービスシーンのつもりはない。

 なので、色気とか魅惑とか雰囲気やムードは欠片も無かった。


 温泉の中でゆっくり咲は暖かく座り、泉の温もりを感じながら、隣並んで腰掛ける姫へと呟く……。

「結局私は、言葉だけで。ちゃんと(・・・・)信じていなかった、って事か……」

「まあそうなるが、今は信じられるじゃろ? なら未来を向いて歩けるさ」

「……だね」

 自分が過去ばかり、昔の思い出の中ばかり見ていたことに、今更ながらに気付かされる。近未来に生きる未来人なのにだ。

 ゲーム内では真っ昼間の露天風呂、これが夜ならもう少し雰囲気が出たかなとも思ったが、彼女らは夜に生き過ぎた……。だから昼を生きる。

 沈んだ太陽は何も導けない、だけど彼女達は例え光が無くとも導ける、そんな力を持っていた。


 お風呂から上がった後に待っていたのは豪華な和食料理だった。

「お待ちしておりました、ゆっくり食べていって下さい~」

 ゴーレム・機械・人形、スズ達無機物が心の籠もった料理をおもてなししてくれる。色とりどりの料理の品々は華やかさで溢れていた。

 お橋を取り、料理を口に運び、品々をお腹の中へと流し、幸福感で満たされる……。


 姉妹2人はその料理を「美味しい……」と舌鼓を打ちながら、もうすぐ幻視した未来に備えて一歩づつ、着実に心を休ませるのであった。

 速歩きしたり、走ったり、一歩先を考えて行動したりもしない、ただ歩幅を合わせて進む。そこには遅れも乱れもなかった。


 人間の咲は神様になってしまっていた姫の為に、自らも神様になって共に歩く選択を、決断をした。その事に後悔はない、同じ苦しみをや喜びを分かち合いたい、そのために人間として、神様として、ともに歩む……。それが家族なのだからと咲は思ったからだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
・よければブックマーク、評価、感想などよろしくお願いします!
・こちらも観ていって下さるとありがたいです。
名を上げる。ボカロBGM:最終決戦~ファイナルバトル~
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ