第514話「王VS民⑪GMの姫が勝負をしかけてきた!」
《GMの姫が勝負をしかけたきた!》
《天上院咲VS天上院姫のPVP戦が始まります! 咲は国王軍サイド、姫は革命軍サイドです!》
「来い! 真夜ノ剣! 試し斬りの餌になってもらうぞ!」
「やっぱり試し斬りじゃん! じゃなかった、来い! 真昼ノ剣!」
ズドン! と天空から地上へ落下して突き刺さる伝説の? ツルギは地面に轟き大型花火のような空気と地面を震動させる。
「行くよ! 斬空剣!」
それを2人は、伝説の剣マスターソードを引き抜くかのように天高く剣を舞いあげた。
咲はまずは小手調べとばかりに相手の出方を伺う、遠距離小攻撃スキル〈斬空剣〉を放った、飛ぶ斬撃である。
が、咲の飛ぶ斬撃は、手の内を読ませまいと思って放ったスキルだったが、それがあだとなった。
「〈調整受流〉!」
受流が成功した事によって、遠距離攻撃だろうと、咲は仰け反り状態に陥る、更にこのスキルはタイミング良く意識というコマンドを成功させると、超至近距離まで詰めるスキルだった。
「しま!」
条件を達成し、一瞬にして仰け反った咲の射程範囲に入った姫は真夜ノ剣で試し斬りをする。そして今回初めて披露するGM姫の攻撃系スキルは……。
鳳蝶と桜吹雪のエフェクトをまき散らし、細身の長剣が空を斬る。
「〈森羅万象のインパクト〉!」
一撃、それは強烈な一撃の型だった。
咲が踊るようにする8属性8連撃攻撃の〈森羅万象のワルツ〉を使うのに対して、姫は1撃のみの衝撃波で咲を後方へ吹き飛ばす。
そこに再び間が発生する。
咲の攻撃射程距離から外れてしまった。
咲は構え直す、今度は咲の番。
真昼ノ剣に風見鶏と衛星電波修正時計のエフェクトが宙を舞う。
(近づけない……! 〈雷速鼠動〉!)
電光石火の早業で距離を詰めようとしたが!
「〈調整受流〉!」
姫が相手のスキル発動のタイミングを見計らって遠距離からその技をキャンセル、受け流して咲を仰け反り状態にした。
「ま! また!?」
再び攻撃を受けて、〈森羅万象のインパクト〉を食らい、二度目の長距離へ吹き飛ばされる咲。
(知らないスキルだ……!)
なら、まず咲は、右手首に装備中の三眼ブレスレットの中央、〈審判の眼〉を使い〈調整受流〉のスキル特性を解析する。
姫は〈審判の眼〉の発動タイミングも読み切っていたが、あえてココはパリィせずに見送り流した。
〈調整受流〉
相手のスキル発動タイミングに合わせて、タイミングよく自身のスキルを発動・被せることが出来れば発揮するスキル。
相手のスキルを上書き無効化し、仰け反り状態にした上で、自身は超至近距離まで間合いを詰めることが出来る。
もし失敗したら自身に大きな隙が出来る。
(厄介な! パリィ使わないどころか進化してる!?)
〈森羅万象のインパクト〉
8属性、地水火風氷雷闇光を一度の牙突で衝撃波を与える。
相手は長距離まで吹き飛ばされる。
(なるほど、私がスキルを発動したタイミングに合わせて瞬間移動で近づいて、攻撃を当てたらインパクトで間合いを広げる戦術か……)
「どうしたどうした? まだまだ技術じゃぞ? 実力じゃ無いのじゃ」
(攻略法としてはまず、スキル発動の初動をズラすとかそういうフェイントでも入れなきゃ……。攻撃するタイミングを合わせられたらまた狙い撃ちされる……!)
森羅万象のワルツは8連撃攻撃、森羅万象のインパクトは1撃攻撃……、ここら辺で差別化してきたか……!
今の所、スキルに反応してスキル返しをしてくる所まで解ってきたが……、通常攻撃はどうだろう?
ということで、通常攻撃の3から5回ほど素振りをしてみたが、〈調整受流〉は発動してこなかった。
(なるほど、スキルや奥義にだけ反応して通常攻撃は発動しないのか!)
ちょっとだけ救いが見つかった咲。
攻撃手段に悩む咲、姫は咲の出方を伺って攻撃して来ない。
まだ準備運動程度にしか思っていないようだった。
「どうしたどうした?」
「下手にスキルを使ったら返り討ちに合うって解ったからね、今は考え中……」
準備運動と言う名の伸び縮みの体操をしながら、やっと面白くなって来たなと思うGM姫であった。




