第443話「A極論とピムル理論⑤陰陽五行論」
「さて、どこから話そうか? 陰陽五行論とは。陰陽思想と五行思想との組み合わせによって、より複雑な事象の説明がなされる。 陰陽道、占術とも呼ばれる……」
姫は咲に対して授業を行っている。
流石に強化系第3位のアインが強すぎて、対策を、相手の理論を覚えないと勝てないと悟った咲は、真面目に聞いている。
最初にまず、五行相生の説明。
「長すぎるから色々中略して要点だけを話す、話して解らなかったら自分で調べてくれ。まず、五行相生。〈木は火を生じ、火は土を生じ、土は金を生じ、金は水を生じ、水は木を生ず〉。意味は、木は燃えて火になり、火が燃えたあとには灰〈=土〉が生じ、土が集まって山となった場所からは鉱物〈金〉が産出し、金は腐食して水に帰り、水は木を生長させる、という具合に木→火→土→金→水→木の順に相手を強める影響をもたらすということが「五行相生」である。」
ちょっと説明が解らなかった咲。
次に、五行相剋の説明。
「ゲームでお馴染みなのはこっちの方。「水は火に勝ち、火は金に勝ち、金は木に勝ち、木は土に勝ち、土は水に勝つ」という関係を『五行相剋』という。剋は勝つって意味な。水は火を消し、火は金を溶かし、金でできた刃物は木を切り倒し、木は土を押しのけて生長し、土は水の流れをせき止める。という具合じゃ」
咲はその陰陽五行論の意味は理解出来たが、何故それが必要なのかが解らない。
「んで、それを応用して出来た超能力者を・人間を起点とした気の流れを、A極論と言うのじゃ。独自アレンジとも言う」
つまり、種明かしはこうだ。例えば……。
・強化系=火、火は金に勝つ。
・賢術系=金、金は木に勝つ。
・陰陽系=木、木は土に勝つ。
・精神系=土、土は水に勝つ。
・未覚系=水、水は火に勝つ。
このように〈勝つ〉だけでは消滅へ向かう力だが。人間の気の流れを逆にすれば生成、つまり生産職のように潤う流れが生まれる。
「前回、咲は強化系に未覚系で勝った、それはつまり自然の摂理上当然の事で、つまり水で火を消したのと変わりはないのじゃ、最果ての軍勢からしたらな、そういう思考・思想で挑んで来る。だから結局、強化系第3位を倒したところで、5つの内Ⅰつを倒されただけで、最果ての軍勢にとってはちっとも痛手ではないんじゃ、回復する流れを軍勢が生成すれば回復するからな」
「……なるほど……」
咲は緊張感とと共に、唾を飲み込んだ。
「だから、この論法で行くと、勝ち方も知ってるし負け方も軍勢達は知ってる。彼ら、超能力者達の詳細は省くが、次元を超えたオールスターバトルが出来る程度には強い、強いだけじゃなくバランスも良いから、難攻不落で今までずっとSランク1位の座についとるんじゃ」
「質問。人は宗教に勝ち、宗教は論理に勝ち、論理は未知に勝ち、未知は愛に勝ち、愛は人に勝つ。の詳細を教えて、独自アレンジ何でしょ?」
「人が多く集まって宗教ができ、宗教は論理を生んだ、論理は知らない未知に勝ち、無知でも愛は育める、そして愛が無ければ人や村は繁栄しない。……というのが大体の生成へ向かう力じゃ、逆だと消滅する」
「宗教は忘却するっていうのは?」
「極論、地球が滅亡して人類が居なくなったら、信仰が途絶え、その空間上、後には空気とかの元素物質しか残らないっていうのが消滅の流れじゃ。だから神様とて万能じゃない。……と、言いたかったのじゃ。あ、ちなみに魂のことは言って無い」
「ほほう、……えっとここまでがピムル理論では第Y2階層ってのはどうして? てか第Y1階層の説明をまだしてないんだけど……」
「まあ、それに関しては、〈第4の壁〉とか〈メタ世界〉の関係性も説かないといけないから、今回はここまでな。第Y1階層に至っては現実と幻想と狭間があるよ~~と言うてるだけじゃから、そこまで言う必要が無かっただけじゃ」
「ふむふむ、はーい」
流石に、自分の頭の中の容量が一杯になりそうな咲であった。
2人は未知無き道を歩いて行く……。
「ここまでで質問あるか?」
「えっと、何故A極論から先に教える感じになったの?」
「それは、ここまでが自然の流れ……、時間軸の座標で言うとX軸だけで事足りるからだ、過去から現代そして未来へ流れて行く力……、しかしピムル理論は、これらにY軸とZ軸が加わる……とかな」
「う~ん……頭痛になりそう……」
「ま、とにかく。今回はここまで! なのじゃ!」




