第429話「2日徹夜?余裕だしィ!?」残り66時間
仮想世界、西暦2036年9月1日16時00分。
荒ぶる神の化身『ゴッドジーラ』の雄叫びから始まった、あと地震。
マグニチュード7の、グワングワン揺れ動く足場の中、咲はシャンフロに語りかける。
「放課後クラブ親衛隊隊長のシャンフロさんはどう動くんですか? プレイスタイル」
咲は、手軽い気持ちでシャンフロさんに声をかけてしまったが……、それが甘かった……。
「はぁ!? 2日徹夜? 余裕だしィ!? 3徹までイケるね!? プロプレイヤー舐めんじゃねーよ!?」
「……;」
(おっとそう来たか……、まさか2日徹夜のフルスロットルで駆け抜けるアンノーンプレイヤーがこっちにも居ることを忘れていた……。こりゃお姉ちゃんの『計画』ミスだな……w)
初っぱなから想像を遙か超えるプレイング計画をキメ込むプレイヤーが居た。
咲プレイヤーはよい子ちゃんだから……、寝てない自慢なんて出来ないのだった……。というか、考えて無かった……。ちゃんとしっかり8時間オネンネすることを計算に入れ込もうとしていた。
「ん~……、私の副ギルドの隊長がそれで行くのなら。私もソレで行こうかなあ~。せっかく高校には合格してるし」
「おぉ!? もしかしてワルい子の仲間入りか?」
「ごめんねいい子じゃいられない。これはお姉ちゃんとの間接的な喧嘩だし? お姉ちゃんを2日徹夜で、また病院送りにしてしまおう」
「はっはっは! イキがいいねぇ~! やっぱお互い、隊長格はそうでなくっちゃ!」
「まぁ、寝落ちしたら後片付けよろしく」
「あいよ~! んじゃ一足先に行ってくるぜ~! ヒャッホー!!」
そう言って、シャンフロ隊長さんは一番槍をキメ込んで行っちゃった……。
「……、じゃあ。おじさんと牙さんは、〈防御司令〉出しとくわ、私が動きやすいように足場を作っといて。おじさんは〈右側〉、牙は〈左側〉でヨロ。賢者さんは……優秀だから〈自由〉でいいよ!」
「おk!」
「……、今回だけだかんね!」
「のじゃ!」
咲は今回、親衛隊に副隊長?格に命令? 号令を出した。思えば隊長らしいこと一度もやってないし、どっちかというと距離を取っていたので今回〈初〉である。
「じゃあ、この遠い距離からだし。私にしか出来ないだろうから……スキル〈看破〉発動!」
〈荒ぶる神の化身『ゴッドジーラ』〉
長い間、凍っていたようで動きはまだ鈍い。体内で高熱がまだ発火仕切っていなく、尻尾の竜尾を発動するまでまだ時間がかかるだろう……。
一歩、足を前進させたらマグニチュード7を叩き出してしまったが。今回は偶然。体が〈麻痺〉状態になっており。まだ身動きが上手く取れないらしい……。
咆哮で怯み効果あり。あと、皮膚はメッチャ硬い……。あとで超電磁砲出しそう……。
「今んとこ取れる情報はここまでか……」
咲は出来る範囲の事をした。
「だいぶ統率力があがったな」
地震の中こっちに来たのは日曜双矢さんだ。
「あ! 四重奏のブロードさん! それとも〈黒の剣士〉って呼んだ方が良い!?」
「何でもいいよ……んで、俺達に出来る事はあるか? 先に行って好きにしちゃって良いのか?」
後方で美味しいところを持って行かれるのもありっちゃありだが……。
「じゃあまずは偵察ってことで皆で前進しましょう!」
『了解』
ギルド、放課後クラブ、四重奏、放課後クラブ親衛隊は。皆そろってゴッドジーラの方へ前進した。
【総力戦とはこのことか】
【そりゃ難易度アンノーンだし……?】
【戦っても得るものは何も無いのに……】
【俺、敗北者で難を逃れた。これって普通だよね?】
【あぁ、お前は普通だ】
【アイツらが異常なだけだヨ!】
【やっちゃえ! バーサーカー!】
【それ作品ちゃう……!】
【と言うか、アイツらこの地震の中で普通に立って会話できてる(すごい】
【ジーラ鈍ってる今がチャンス?】
【いや、罠かも知れないぜ?】
【レベル1の俺は何が出来るんだ……】
【そういや咲ちゃんレベル1だよね……?】
【お前等今、夜の10時だぞ!? 眠くねーのか!?】
【なんだぁ~? 小学生か~?】
【社会人は0時まで昼です(てきとう】
そんな中、咲は再び〈看破〉を使うと、ゴッドジーラに〈螺旋〉という知らない単語が付加されていた。
「螺旋って何ぞ?」
と、思っていたら野生の蛇が現れたわけだが。ヌっと影から出てきた、ギルド『非理法権天』のレジェンドマンがその良くわからない蛇をワンパンで終わらす。……そして。
「咲くん、とりあえず。あのシン・ゴッドジーラの弱点を看破してくれ! 下手なことしてキミに当てたくないからな!」
「へ? 良くわかんないけど。弱点を重点的に見つければいいのね? ヨシ! 〈看破〉!」
〈荒ぶる神の化身『ゴッドジーラ』〉
ドラゴン・でんきタイプ。単純に物理ステータスが高い。皮膚は硬く、急所が〈移動〉しクリティカルに当てにくい。今はそれまでの情報だが。今後も進化し、変体を遂げて行くようだ。
「レジェンドマンさん! とりあえず今は、地面、妖精、竜、氷が弱点です! 見た目まだ8割方凍ってますが……!」
「助かる! とう!」
そう言って、レジェンドマンは。上空、というか概念階層の方へジャンプして消えた……。
「……、あの人は何と戦ってるんだろう……?」
咲には解らなかった――。
仮想世界、西暦2036年9月1日22時00分。
防衛成功まで、残り66時間。




