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少女は異世界ゲームで名を揚げる。~ギルド『放課後クラブ』はエンジョイプレイを満喫するようです~  作者: ゆめみじ18
第24章「3年生編・世界1位」西暦2036年4月1日

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第407話「ネットが無い世界」

 現実世界、西暦2036年4月19日。

 ――まどろみの中から天上院咲は眼を覚ます。

 VR機器『テンジョウ』を頭からすっぽりと外して、夢の国から退場する。


 ――この日、世界中のインターネットが使えなくなった。


 だが、何も出来ないワケでは無い。世界樹クロニクルにはアクセス出来なくても。目の前にVR機はある。

 世界樹にプレイヤーがアクセス出来なくなっただけで、VR機『テンジョウ』を起動して、ネットには繋がってない世界樹ホームでキャラクターメイキングぐらいは出来る。

 出来なくなったことは、そう。

 

 ――繋がらなくなった。


 それに尽きるのだ。ネットの皆と、名前も知らない不特定多数の大勢と。繋がらなくなった。部屋には自分1人しか居ない、そう、【元に戻った】と言っても良い……。だから送信も受信も出来ない。

 ただし、7日間という限定的。システム障害でもないし、運営によるメンテナンスと事前に告知しているので。運営に無理を通せば繋がることは出来るのだ。メンテ中だけど。

 旧時代には戻るが、携帯電話は使える。そういうガス抜きとしては……。気分転換としては良いのかもしれないのかな? と……、天上院咲は思った。


「夢から覚めたか?」

「……、なんで開幕最初の言葉がソレなのよ? 皮肉?」

 姫は隣で横になっている咲に対して、開幕一番でそう囁いた。


「ま、ちょっとしたお遊びじゃ」

「ん~、現実世界かあ~……」

 仮想世界に居すぎたせいもあり、重力に対して不信感がある。


「さて、まずは何をやるか……」

「まずは情報収集、現状確認かな」

 2人は体をもぞもぞと動かして、筋肉を伸び縮みさせる。


 現実世界の体が重い……節々が痛む咲……。

 おそらく姫も同様だろう……。


 2人は両隣のベッドから体を起こして、座りながら語り始める。

「まず現実世界で出来る特殊能力って何だっけ?」

「見聞色・武装色・覇王色の覇気?」

 色々とツッコミどころがある返答に困る咲。


「そういう意味で聞いたんじゃ無いけど、まあそうなるよね……使えるのか知らないけど」

 仮想世界でオーラの修行をした身としては、今さら現実世界で覇気が使えたとしても。動揺こそはするが驚きはしない。

「あと、こっちの事情で言うと。眼に見えないアストラル体がどっかに居て。……マルチバース017、西暦2027年1月で、日本の元総理大臣が銃で死亡した。そのタイミングでゲームをしたら、詳しくは忘れたけど。16番とバトルした。……かな、覚えてる現状は……。その後、M○Uがマ○チバースサーガを発表した。……、まあザックリ言うとそんな感じだ」

 本当に、覚えている範囲だが。そういう時系列らしい……。


「017が8年前で、016が更に8年前って計算?」

「2027年の更に8年前だから、2019年に元総理が殺されたのかもな……。ま、本当に知らないけど……」

 GMである姫も本当に知らないらしい。


「んじゃ、まずは今の年代を確認じゃな。新聞を視ようぜ」

「ここまで来て西暦2036年じゃない、は無いでしょ?」

「いや解らんぞ~? 探偵権限みたいに、ちゃんと確認しとかないと。あとで確認してませんでした、だと〈竜騎士さん〉に揚げ足取られるぞw」

「そんな世界観イヤなんだけど……」

 そして、1階に降りてきた姉妹は。新聞を確認する……。


 ――西暦2036年4月19日。

 朝刊の新聞にはそう書かれていた。


「ちなみに、どっちが〈探偵権限〉持ってるの?」

「……、2人で良いんじゃね? こんな所でミスリードされても困る」

「確かに」

 しっかりリードしたいという意味なのだろう。


 この時点で、天上院姉妹の確認することは。全て現実世界の真実と言うことが確定した。

 ほかの小細工は一切通用しない。念のためにもう一度確認。


〈鑑定――。現在は現実世界の朝。新聞を確認すると西暦2036年4月19日と書かれていた。〉

 ……と、咲と姫はスマホにメモを残した。が……。


「紙で書いた方が良いかな?」

「ん~電撃使いじゃ世界は取れない事は、もう解ってるから。紙の方が良いかもな」

「……だね。紙に残そう」

 再び同様の探偵権限で鑑定内容を紙にメモ書きした。


「……、こんなゲームだったっけ?」

「ゲームじゃ無い、現実だぞ?」

「……そうだった……!」

 ゲーム脳から抜け出すにはまだ時間がかかりそうだった。


 咲は、再び自室に戻って。ミステリー本を手に取った。

 その本の中で出てくる作中の文章を姫に言う。内容はノックスの十戒のルールだ。


 ノックスの十戒

 2◇探偵方法に、超自然能力を用いてはならない。

 6◇探偵は、偶然や第六感によって事件を解決してはならない。

 8◇探偵は、読者に提示していない手がかりによって解決してはならない。


 姫は、確認するように咲の方へ顔を向けた。

「別に、本格ミステリーじゃ無いからこんくらいで良いよね?」

「ん、良いと思います~のじゃ。本当に必要なのは〈提示していない手がかりによって解決してはならない〉だと思う」

「本当だったら探偵が観測観たものは全部真実。だと良かったんだけどね、謎解きじゃそういうわけにもいかないか」

「たぶん参考文書が間違ってる。一応言っておくが、ここミステリーじゃなくてSFだからな? 少しファンタジー」

「……、そうだった」

 話が本筋から少し逸れる2人だった。



「お姉ちゃんとは、ほぼノータイムで会えるけど。他のプレイヤー達とは距離が遠すぎるのが問題ね……」


「まー、現実世界はワープで移動出来ないからなぁ~~~~……」


 現状、この神奈川県平塚市に居るのは。天上院咲、天上院姫、近衛遊歩。それとこの前、世界一位である真城和季が3年3組に居て射程範囲内だという事が解る。

 ギルド『四重奏』も、かなり昔に。北海道に居る、なんて噂を耳にしたような記憶があるものの。その真偽は解っていない。


 あと、可能性として湘南桃花が湘南地域の何処かに居ること。……それ以外は何にも解ってない。移動可能な方法は、自転車か電車。

 電話もあるから連絡はつく。だが、直接は会えない……。

 それはそれとして……。


「げ、ゲームしたい……」

 と呟く咲だったが。

「何もネットを禁止しただけで、別にゲーム自体はオフラインで出来るぞ?」

 そうだった、と頭を切り替えるのに時間がかかる咲。ネットで繋がってるのが当たり前だった咲にとっては、不便極まりないわけである。


「テーマ。……ていうか、咲は現実世界でやりたいこととか目標は無いのか?」

「目標、……やりたいこと。……う~ん、無いから昼寝して良い?」

 どうやら精神世界でずっと頭を使っていたから、電源を切ってお休み僕ちゃんをしたいらしい。


「……、ま。いんじゃね、じゃあ現実世界でやりたいことが見つかったら声をかけてくれ。コッチ、運営陣は本当にメンテで忙しいんだ」

「うん、わかった……」

 と言うことで、咲はVR機を付けず。深呼吸をしながらゆっくりと横になった……。



 ……と、ところが。そんなことをしていたら。「あ!」っという間に1週間が過ぎてしまった。

 どうやら咲自身は。現実世界でやりたいことは無かったらしい。

 よく目的も無いままナーナーに生活していたがためか。彼女は現実世界での壮大な目標。……海賊王になるとか。の長期的目標を持たない・持てない人物のようだった。

 だから勉強も、宿題も、ゲームもそつなくこなし。目の前に与えられたモノだけを一生懸命頑張る。しか能が無いようだった。

 そんな現実世界での咲の行動に対して、姫は……。


「……そっか。まぁ、現実世界での目標は別に無くても良いが。〈将来の夢〉ぐらいは、この3年生の内に決めてくれよ」

 と、言われて。超大型メンテという名の〈息抜き〉は終わってしまった。


「んじゃ、休憩も終わったし。ログインするぞ」

「うん」


《ログインします。~以下省略~。ようこそエレメンタルワールド・オンライン3へ!》

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名を上げる。ボカロBGM:最終決戦~ファイナルバトル~
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