第368話「第二次、四重奏VS放課後クラブ4」
放課後クラブのミチビキがシャンフロに言う。
「シャンフロ、四獣王を1人で相手してくれないか? 戦力的にそうしないと勝ち目がまるでない」
「それは別にいいんだが、別に倒してしまって良いんだろう?」
それはゴールデンフリーザを4体を1人で相手にするようなものだった。
「かまわない」
「おっけ!」
シャンフロは勢いよく四獣王のタゲを取りに走った。仲間達のタンク役になるために。
ミチビキがナナナ・カルメルとスリーにに言う。
「前回みたいに分散攻撃する? それとも円陣組んで固まって戦う?」
「各個撃破できたら理想だけど、無理そう」
「なら円陣を組むか! 皆集まれ! まずは倒しやすい奴から狙うぞ!」
弱い奴から倒す、は鉄則だが。四重奏4人とも強いのでその言葉に効果は無い。
なので、眼前に立ちはだかる。敵と戦えば良い。
「まずはスズからだ! 固まって倒す!!」
「ふーん、まあいいけど!」
スズは刀を構えて臨戦態勢を取る……!
放課後クラブは固まってスズに当たりに行く!
『ぜあああああああああああああああああ!!』
黒の騎士、ブロードは思った。
「これ、俺とレイシャ居なくても勝てそうだな」
巫女レイシャはのほほんと言う。
「でもこれがフィナーレイベントだもん。全力出してあげなきゃ可愛そうだよ」
「……、それもそうか」
ブロードは〈棄権する〉という選択肢を捨てた。
どんなに圧倒的な結末が待っていようとも、立ち続ける事を再確認した。
と……、一通りスズが放課後クラブの相手をした後。
四重奏が三角形の陣で迎え撃つことにした。
「固まってたら! 逆に囲まれた!」
「皆で力を合わせるぞ!」
『おうッッツ!』
「風神連牙斬!!」
「鈴の音空間展開!!」
「創造と破壊のビーム!!」
瞬間、各々の防御魔法で防ぐ!
――瞬間、大爆発。
上空では制止した3人の駆け引きが続いていた。
(強いな……さすが……!)
(休んでたって好転しない……! 冷静になるのは良いが相手はそんなことしてたらやられる……ック!)
(EWO2最後のフィナーレイベント……。半端な結末は許されない……でも、四重奏とまた戦える機会はきっと存在する……)
リスク、咲、姫の攻防は続く……。
(雑念を捨てろ、精神を研ぎ澄ませ、目の前の敵に集中しろ、心を無に……)
(廻りの声は無視出来ない……、結末はこの手で決められる。どうする……どう廻すのが最高最善だ……!)
(中断は無い! 生死は知らんが、勝敗はきっちり決めなければ立つ瀬がない! ク! 迷ってたらコイツには負ける! 何か、何か手は……!)
初速が速かったのは言うまでも無くリスクだった――。
決着はすぐついた。
刹那――。
攻撃を仕掛けるリスク、迷いに迷って躊躇した咲、それを止めようと盾になる姫。
――を、逆手に利用し。――リスク、初めての組み技。
天上院姫を腕組みで拘束する。
「おねえちゃ……!」
リスクの火は、珍しく静かだった。彼が初めて入るゾーン領域での言葉。
「――降伏しろ。それが必要最低限だ」
上空で拘束される姫お姉ちゃん。地上で囲まれている仲間達。四獣王のヘイトを一心に集めているシャンフロ……。
――脳裏に敗北がよぎる……。
「ま……。」
瞬間――、地上から【赤い短剣】が空を舞う。
条件反射の危機回避により、リスクは本人の意思に反して。体が防御反応を取り。リスクと姫の間に【ま】が出来た。
生死を分ける空白が、出現。と、それを投げたシャンフロは叫ぶ!
「諦めるなぁあああああああああああああああああああ!!!!」
ズドン!
《シャンフロ、四獣王の猛攻に戦闘不能になりました》
その、刹那の間から飛んできた赤い短剣を空中で取ったのは。……姫、農林水サンだった。
ゾーンに入ったサンは合理性を捨てた。
(なるようにしかならん! なるようになれ!!!!)
瞬間、数撃の斬撃がリスクを襲う。――が、空を切る。リスクには当たらない。
瞬間、リスクの一撃必殺の腹パンがサンに直撃したと同時。
「――スイッチ」
《農林水サンが戦闘不能になりました》
まるでスリヌケ、脇腹から飛び出てきたのはサキだった。
渾身の牙突! が、それも外れる。が、サキは【姉から貰った赤い短剣を左手に持って】言う……。
「ぜああああああああああああああああ!!!!」
左上から右下に、斜め一線。リスクに、初めて攻撃が当たった。
――が、かすり傷だった。
「かすり傷だぜ、え!?」
その傷からは激痛が木魂する。何度も、何度も傷が響き、反響・反復する。傷の痛みが何度も何度も反復する!
「!? 何したんだ!?」
理解できないリスクがサキに対して、聞く。サキは魔法の言葉を口にする。
「――反魂――」
その言葉だけを聞いて、ようやく理解したリスクは。痛みに耐えきれず。空から地上へ落下した。
満身創痍の放課後クラブの面々の前に、最強。リスクが落下して地面に落ちた。
四重奏、ブロード、レイシャ、スズは唖然として観てから。3人は視線を交わしながらお互い頷いた。
リーダー、ブロードが言う。
「降参だ、これ以上は。何も生まない」
――。決着がついた。
四重奏の負け、放課後クラブの勝ち。後には、それだけしか残らなかった。
◆
しかし、この歴史的瞬間をきちんと実況と解説をする義務がこの2人にはあった。
湘南桃花と秘十席群である。桃花が言う。
『無粋だと思われるかもしれないけど、これだけは解説を聞かせて! 『反魂』って何!? 』
反魂とは、死者の魂を呼びもどすこと。死者をよみがえらせること。である。
『ん~。たぶん今まで受けた体の傷を相手に蘇らせる。タイムショックとは違うんだろうけど。ん~たぶん、今までの危険を誘発した事へ対する。……要するに今までの【報いを受けろ】って事だと思うぜ』
『……ふむ。ん~でもそれって神様よりも偉いものなの?』
『ん~解んないけど。今までのそれ相応の報いを受け続けて、飛べなくなるほどに痛くなって。倒れたんだと思うぜ。彼は』
『意味がわかるような解んないような……』
『赤い短剣の攻撃だから、過去に戻って誤差修正してきた。全ての恨み辛みの集大成って感じの痛み。ま、怨念だな。それの反魂付加のひと傷……』
『傷としてはあまりに小さい跡だけど、重責は一生残るような傷……でいいのかしら?』
『ま、彼と言う存在が守られるかどうかは解らない。桃花と俺、群は。それ以外の外の世界をほぼ知らないし、観てないからな』
『あとは、皆の審判に委ねられる。って事なのね……』
――かくして、EWO2。フィナーレイベントの幕は閉じられた。




