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宮廷鍛冶師の幸せな日常 ~ブラックな職場を追放されたが、隣国で公爵令嬢に溺愛されながらホワイトな生活送ります~  作者: 木嶋隆太
第三章

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第46話


「オレはグロスが所有しているすべての剣を見せてほしいと話したのだがな。……結局、それに応じてくれなかったのだから、疑うしかないだろう」

「それが、愚かだというのです……っ! シーフィのような女の言葉をすべて真に受けるなんて……!」


 話は平行線だ。

 グロスも同じように剣を構え、二人は向かい合う。

 両者の間には、それぞれの護衛が審判として立っていた。

 決闘、とは言うが殺し合いではない。

 両者の勝負が、傍目から見て明らかになるまで戦うだけだ。


「それでは、決闘を開始する。……始め!」


 審判の声が響くと同時、グロスが動いた。 

 グロスの剣から魔力が溢れ、それがグロスの動きを補助しているように見える。

 対して、リガードさんも同じように強化している。

 両者の剣がぶつかりあい……お互いに弾かれる。

 

 二人の力はほぼ互角のように見える。

 となれば、残りは剣の差だ。

 グロスが剣を振り下ろし、それをリガードさんが捌いていく。

 自分の剣が、どこまで魔剣に通用してくれるか。


 頼む、リガードさんを守ってくれ。

 二人の同じような打ち合いは続いていたのだが、その表情が変化していく。

 グロスの表情はどんどんと険しくなり、対してリガードさんは余裕があった。


 グロスの攻撃はさらに苛烈なものになっていくが、リガードさんはそれを余裕綽々と言った様子で捌いてみせる。

 

「……っ、はああああ!!」


 グロスは気合を入れなおすかのように叫び、そして剣を振り上げる。

 その瞬間、リガードさんの動きが変化した。

 

「くらえ!」


 叫ぶと同時、リガードさんの魔力があふれ出した。

 リガードさんの剣から放出された魔力が、魔剣とぶつかり合う。

 その一撃は、周囲に鋭い衝撃波を生み出すほどのもので……グロスの体が吹き飛んだ。

 

 同時に、彼が持っていた魔剣が宙を舞う。

 ピキピキ、という音とともにその魔剣が半分に折れた。

 グロスの体が倒れるのと、魔剣が地面に突き刺さるのはほぼ同時。


 どさり、という音の後、グロスが体を起こそうとしたが、そこへリガードさんが剣を突き付けた。


「まだ、やるつもりか?」

「……な、なぜだ……ぼ、僕の魔剣が……」


 グロスは動揺が大きいのか、そんな言葉を口にしていた。

 次の瞬間だった。

 シーフィの近くにいたハムスターたちが動き出した。


 何事かと思った次の瞬間、彼らの体が光を放ち、俺たちは注目を集めることになる。

 その光が治まった瞬間、そちらには二名の男性がいた。

 グロスと雰囲気の似た二人だ。彼らよりも大人びている二人は、グロスのほうを見ると、眉間を険しく寄せた。

 

 こちらを見ていたグロスはガタガタと震えだしていた。


「に、兄さん」

「よぉ、グロス……おまえ、たいそうなことをしてくれたじゃないか」


 声を上げた一人が本気で怒っているようだった。

 ……なるほど。魔剣が破壊されたことで、呪いが解除されたようだ。


「久しぶりだな」

「リガード、悪いな。今回のお礼はまた後でやるよ。それより今は……グロス、どうなるか分かっているだろうな?」


 本気で怒っているようで、その頬が引きつっていたのが分かった。

 当主の座を狙ったグロスに対して、向けられる怒りはかなりのものだろう。

 俺はそれについて深くは言及しなかったが、恐らく……それなりにきちんとした処罰がされるのだけは予想できた。

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