1、文章作法 【一人称小説】
一人称小説とは、物語内で起こる出来事を見つめている人物、あるいは当事者の目線で進む小説です。
その目線を持つ人物を私は【視点人物】と言います。
度々使うので覚えておいてほしいです。
さて、視点人物の目線で進む一人称小説ですが、書き方はいたって簡単。
視点人物になったつもりで出来事を見つめ、書き進めるだけです。
【例文】
私の青春は中学一年の夏にたくさんの熱い涙と共に終わった。
上記の文章であれば、【私】が視点人物であり、私の出来事を語った一人称小説、となります。
この書き方にも少ないながら、決まり事があります。
その一つが、視点人物の見たもの、聞いたこと、感じたことしか書けないということです。
視点人物になったつもりで書くわけですから、見たり聞いたりしていないものはわかるはずもなく、ゆえに書けないのです。
感覚だけではありません。思考も価値観も見方も視点人物のものでなくてはなりません。
他人のそれらを見て察することは出来ても、代弁してあげてはダメです。
これが一つ目の決まり。
一人称小説の決まり事、二つ目、それはワンシーンにつき、視点人物は一人とすることです。
例えば、恋愛小説でよくある手法として、ちょっとした勘違い、すれ違いを互いの視点で描いたりするものを見たことあるはずです。
勘違いをしている、すれ違ってることをキャラが知っていては意味がない……だけど、読者には伝えた上でどうなるのかドキドキハラハラさせたい。
こうするには視点人物を動かさなければならないでしょう。
すなわち、視点人物を変えること自体はタブーではないのです。
しかしながら、それをワンシーン内でやってしまうことはタブーになってしまいます。
理由は、視点人物が急に変わってしまうことで、誰の視点であるかが分かりづらくなるから。
変えるのであれば、シーンを区切り、視点人物が変わったことを伝える描写を加えて書く必要性があります。
これを怠ると、誰の感覚、感情、言動なのかが曖昧になり、読者が混乱してしまいます。
やってはいけないことの二つ目です。
注意事項があるとすれば、例えシーンを切り替えて視点人物を移していても、何度も何度も繰り返すと、それもまた誰の視点だか分からなくなったり、感情移入しづらくなったりします。
極力、視点人物は移さないほうが読者には優しいでしょう。
さて、二点の決まり事をあげました。
【1】視点人物の主観で物語が進む
【2】ワンシーン内で視点人物を動かしてはいけない
これを守らないと視点が狂ってしまい、誰が語り部で何を読者に伝えたいのかが分かりづらくなります。
逆に言えば、二つの決まり事さえ守れば、文章の上手い下手に関わらず、読者が出来事を把握しやすい小説になるわけです。
一人称小説の描き方なんて、実はこんな程度しか決まりはありません。
それほど厳しい条件ではありませんので、きちんと守ってどんな物語であるかを伝えられる一人称小説として形作ってください。




