第97話 デート当日
お待たせ致しましたー
なんだかんだで……エリーの提案から、提案されたジェフとのデート。
ただし、私から誘うのはあからさま過ぎ(?)るので……レイザーさんがさりげなく提案するフリからスタートすることになった。
「リオーネを、シェリーと?」
「たまには、散策して来い」
今は、今後の打ち合わせも兼ねて男性側の宿泊部屋にいる。リオーネをすぐ離れられないのは、私の体質『魔力不足』を完治させる必要があるから。
この近辺にはダンジョンはあるけれど、かなりの規模なので闘士としての私はともかく、『魔法使い』の私ではどこまで通用するかわからない。
なので……こうして、メンバー全員で話し合う機会が多いのだ。私はパーティーに加入するのは初めてだから、最初はとても新鮮だった。
「……どう言う風の吹き回しだ?」
ジェフが疑うのも無理ないわ。
レイザーさんが、遊んで来いって言うのは珍しいもの。
しかも、その内容がジェフには秘密だからって……わ、私、が。
(ジェフに……この気持ちを告白するための、段取りだからって!?)
本当に言えるかわかんないけど!?
ずっと、衆道と勘違いしてたトラディスさんとの誤解は解けたけど!?
こんなすぐに、ジェフとおで……デートに行けるだなんて思わなかったから!!
緊張しないわけないわ!!
「休暇日休暇日。お前ら、時間ありゃ鍛錬ばっかしてんだろ? 俺はトラディスと出かけるし、幼馴染み同士で出かけんのも悪くないじゃねぇか?」
そのニヤッとした顔が!?
ジェフを煽らないか、こっちとしては焦る要素だったけど……ジェフは逆に考え込んでしまった。
いつもなら突っかかるのに……怒らない?
どうして?
「……まあ。そうだな」
納得しちゃった!?
「ほら、さっさと準備していけよ。お互いの相棒は忘れんなよ?」
「そりゃな?」
「は、はい」
私は杖を、ジェフは聖槍のアークを。
忘れずに持ってから……ほら行けと言わんばかりに、レイザーさんに背中を押され、トラディスさんからはにこやかにいってらっしゃいと言われた。
リオーネの街には、そこそこ滞在しているとは言え……ジェフは、私に案内されるのをどう思うんだろう?
新人のメンバーとして?
幼馴染みとして?
……それとも、女として?
どれだとしても……今回の、デート……で少しでも進展したい!
たくさんの人に応援してもらっているんだもん!!
「おい、シェリー」
拳を握りしめていると、ジェフから声をかけられた。
「な、なに?」
「お前、ちょっと鈍臭いだろ? 手、貸せ」
「手?」
いきなり言われたので、すぐに理解出来なかったんだけど……手を出せば、大きな手に握られた!?
な、なんで!?
次回はまた明日〜




