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スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜  作者: 櫛田こころ


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第95話 エリーの提案

お待たせ致しましたー

 シェリーとジェフをデートに行かせる。


 これは、悪い提案じゃないと思うのよね?


 だって、シェリーからは『ジェフが好きなんだけど……』って相談受けた時は、告白しても大丈夫だとは思っていたんだけど。


 肝心のジェフは、シェリーの好意に気づいているかいないか。曖昧な態度でシェリーに接しているようだし……けど、実はシェリーと再会して『今の』シェリーを知った上で、どうやら彼なりに好意を自覚したようだけど。


 相棒であり、パーティーの副リーダーであるトラディスを板挟みするのはいただけないわ。


 シェリーは衆道。


 ジェフはライバル意識。


 それを、ケントと話した上で双方の意思が食い違っているのはいただけないわ。


 だから、あたしはその二人を『デート』でくっつける作戦を思いついたのよ!!



「ね? どうかしら?」



 ケントに聞いてみると、彼はうーんと首をひねったわ。



「……大丈夫かなあ?」


「まあ、いきなり恋人同士になれとは言わないわよ? けど、せっかく近くにいるんだから……お互い意識し合わないと」



 じゃないと、ほぼ毎朝……そのジェフに鍛錬してもらってるシェリーの心臓がもちそうにないわ。



「……そうだね。トラディスさんのこともだけど、やきもきしてて大変なことになったら一大事だもん」


「そうそう」



 と言うわけで、計画の一端にケントにも加わることになり。


 あたしはあたしで、シェリーに半分くらい嘘を交えてのデートプランを伝えに行ったわ!



「で、デート!?」



 ギルドで討伐依頼をちょうど終えたシェリーを捕まえ、あたしは街中のカフェでシェリーに伝えたの。


 顔通り、こっちが照れちゃうくらいに可愛い顔で真っ赤になったけど。



「そうよ? せっかく再会して近くにいるでしょ? トラディスのことは置いといて、あんたの気持ちをさっさと伝えた方がいいわ」


「……そ、そうかなあ」


「引きずるのは嫌でしょ?」


「……嫌」



 シェリーから聞いてはいたけど……相当な片想い歴だもの。


 あたしは、ケント経由でジェフの気持ちは聞いても……言えないわ。


 第三者から、『好き』を伝えたところで本当に想い合うのは、なんか違うもの?



「じゃ! リオーネはシェリーの方が詳しいでしょ? ジェフに観光案内ついでに、あちこち回ればいいのよ!」


「……それって、デート?」


「最初は仕方ないでしょ? レイザーやトラディスがいなくて二人だけなら、立派なデートじゃない?」


「! うん!」



 ほんと、スレていない子は可愛いわね?


 ジェフとの交流はあたしもまだ日が浅いけど……こんな可愛い子に好かれているんだから、さっさと告白しちゃいなさいと思うわ。


 うまく行くといいけど……と思いながら、今度はレイザー達にも伝えるのに、あたしは彼らにも魔法蝶を飛ばした。


次回はまた明日〜

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