第94話 こっちも板挟み
お待たせ致しましたー
『相談には乗りたいけど、今は行けない!』
と、エディからの魔法蝶にはそう返事があったため……エディには頼れなかった。
トラディスさんが僕のところに来て、また何日か経ったけど……本当にどうしよう?
ジェフさんは、思っていないようだけど……多分無意識のうちにトラディスさんをシェリーさんを取り合うライバルだと感じているようだし。
トラディスさんは、ちっともそんなつもりはないのに……板挟み状態が苦しい感じだった。
となれば、だけど。
「……シェリーとジェフねぇ?」
また別のお休みの日に、僕はエリーちゃんを呼んだ。
シェリーさんとは仲が良いし、何か恋バナとか聞いていると思ったから。
あと、トラディスさんを安心させたいのもあって、味方を増やしたかったから。
「うん。エディにも相談したかったけど、今ダメらしいから」
「その『エディ』って、君のマブダチになったって男?」
「うん! 良い子だったよ!! 僕らと同い年なんだ」
「へぇ。会えたら紹介してよ?」
「もちろん! ……で、どうすれば良いと思う?」
「そうねぇ……」
エリーちゃんは、カウルが今日も作ってくれたアイスボックスクッキーを食べながら、うーんと首をひねった。
そう言えば、聞いてはいないけど……エリーちゃんには彼氏とかいるかな?
居たら……僕のとこには来ないかな?
「トラディスさんは、板挟みがしんどいらしいけど」
「シェリーも、ちょっと心配だったわよ?」
「へ?」
「ジェフとトラディスが仲良すぎだから」
「は?」
と言うことは……つまり?
「ジェフに衆道のきらいがあるんじゃないかって、勘違いしてるわ」
「え? ジェフさんがゲイ?」
「向こうじゃ、そう言う言い方なの?」
「う、うん」
リーダーと副リーダーが仲悪い方が良くないけど……でも、シェリーさんにはそう見えるくらい、トラディスさんとの関係が勘違いされているんだ。
これは、早いうちに誤解を解いた方がいいかもしれない!!
「ジェフが事あるごとに、トラディスを褒めちぎっているせいもあるらしいわよ? トラディスはBランクでもちっとも偉ぶらない良い子だって」
「……それは本当だけど」
でも、何回も何回も聞かされ続けたら……勘違い、しちゃう……のかな?
「けど、そう。ジェフもシェリーの事を想っているんなら……さっさとくっついて欲しいわね? シェリーは超可愛いからトラディスが心配するように、狙ってるバカどもは多いわ」
「……どうしようか?」
このままだと、トラディスさんもだけど……シェリーさんも辛いだろうし。
何か、いい案ないかなあ?
「…………いっそ、いきなりデートさせるとかは?」
僕が唸っていると、エリーちゃんがいい笑顔でそう提案してくれたのだ。
次回はまた明日〜




