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スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜  作者: 櫛田こころ


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第9話 反省します……が

お待たせ致しましたー


「……ケント? 今言ったこと本当なの??」


「……本当、だけど」



 怒っている。


 エリザベスさんが……起き上がったあと、物凄く怒っちゃった。びっくりすることは言ったけど、怒る部分はあったかな?


 転生者ってことが、まずかったとか?


 けど、エリザベスさんはそうじゃなかった。



「それが本当なら……君、変な連中にめちゃくちゃ目をつけられるわよ!? あたしだからまだよかったものの……これとかもだけど、そんな国宝レベルの情報……あちこちに言いふらしたりしない方がいいわ!」


「……はい」



 たしかに……その事実はその通りなので頷くしか出来ない。


 カウルもだけど、エリザベスさんなら大丈夫って安直な考えで言っちゃいけない内容だったと反省しました。



「……けど。そのポーション……のパン。広めれば、世界の流通事情が変わるのは間違いないわ」



 僕がしっかり反省し終わった後に、エリザベスさんはぱんっと手を叩いた。



「……そう?」


「ええ。魔法薬のポーションは、あたしランクでも手に入るのが一苦労。回復魔法とかも……貴族連中でも屑の奴らが秘匿するくらい。それに比べて、食べ物で……めちゃくちゃ美味しいパンとくれば。生産ギルドに正式に認知されれば……売れるわ。あと、その神の頼みにも十分応えられるはず」


「「……おお」」



 思わず、カウルと顔を見合わせちゃった。



「効果は、あたしの体で実証済みだもの。それと、ちょっと困っていた案件に君が加われば……生産ギルドとしても有難いことになると思うわ! ケント、あたしのいる街に来てくれる?」


「うん! あ……カウルも」


「でやんす!」


「そうね? 獣魔登録させれば、同行は可能なはずよ? あ……この設備は?」


「大丈夫!」



 仕舞うときは、『クローズ』って言えば跡形もなく消えちゃうってイケメン神様が言ってたからね?


 実際にやってみると、本当に消えて僕らだけになった。



「「は〜〜……」」


「パンは僕ならいつでも出し入れ可能だから!!」



 これも、ラノベで友人に教わった知識を活かして、あのイケメン神様と決めた特典だけどね?


 ふたりの前に、もう一度オープンサンドを出し入れしてみれば、まるでロボットのように首を縦に振ってくれた。



「……驚く要素は山ほどあるわね?」


「エリザベスさんのように、冒険者じゃないけどね?」


「……言い難いでしょうから、エリーでいいわよ」


「! ありがとう!」



 可愛い女の子をあだ名呼び。


 高校とかのクラスでもなかったわけじゃないけど……専門学校行ってからは、あんまりなかったなあ?


 二年生になると、就活もあってさらにピリピリしていたから。


 とりあえず、異世界最初の街……ヒーディア国のリオーネってとこに、エリーちゃん達と向かうことになった。


 カウルは途中から僕が抱っこしないと、魔物と判断されて狩られる可能性が高いんだって。


 カウルの抱き心地は、人をダメにするクッション並みに気持ちがいいから……許されるなら、いつまでも抱っこしてたい気持ちになっちゃう。


 で、街道に出ると……人通りがチラホラあった。僕はともかく、エリーちゃんに注目が集まっていく。



(美人さんだし……あと、ランクが高い冒険者さんだっけ?)



 それなら仕方ないと、僕は大人しくするに限る。



「ケント。あそこがリオーネの門」



 エリーちゃんが前に指を向ければ、少し行列があったけど大きな門があるのが見えた。



「大きいねぇ!」


「城下町でもあるからね? 身分証の仮発行が出来るから……あたしの言う通り、門兵には話すんだよ?」


「うん」



 右も左もわからない状態に変わりないから、下手なことはしたくないもんね?


次回はまた明日〜

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