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スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜  作者: 櫛田こころ


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第78話『いちごと練乳の蒸しパン』②

お待たせ致しましたー

 肝心の味はどうかな〜? と、まずはいただきますをしてから手に取り。


 紙カップがないので、そのままかぶりつく!


 ほわっと、いちごに練乳の香りがしてきたけど……すぐに、あんまい生地の食感とトロッとしたいちごの部分がうまく合わさり。


 とても……とても美味しかった!!


 体力回復効果もあるから、全員が軽く光り……満足した表情になっていったんだ!!



「「美味い!!」」


「ほわっとした生地が面白いでやんすねぇ……」


「大成功!!」



 これなら、ロイズさんのご希望に添えれるかな?


 最初は、フルーツサンドに練乳を加えた生クリームとかにしようとしたけど……あれもちょっと食べにくいし、手軽さを考えればこっちの方がいいかなと思ったんだよね?


 今の季節は秋らしいし、少し冷えてきたから冬に向けてならあったかいパンも嬉しいだろうから!



「……しかし、蒸しパンもポーション扱いか。菓子は菓子なのに、不思議だな?」



 と言いながら、お師匠さんは二つ目を口にしていた。



「基準がよくわかんないんですよね? 過剰効果がなくなった分、気軽に作りやすいですけど」


「そうだな。ラティストが神とやらに交渉せねば、店頭販売がしにくくなっていただろう」


「……今のところ、大丈夫だとは思うが」



 イケメン神様を、変に脅そうとするのはやめようね?


 そう言うと、ラティストは軽くため息を吐いたけど。


 とここで、表の店舗にある呼び鈴が鳴ったのだった。



「はーい?」



 表に『準備中』の立て看板があるのに……何か急ぎの用件でもあるのかな?


 郵便関係もとい、魔法蝶っていう手紙システムは壁をすり抜けてやって来るから違うだろうし。


 とりあえず、僕もだけどお師匠さんも一緒に表側に行くと……扉を開けた向こう側には、ピシッとしている服装の男性が立っていた。


 四十代くらいかな?



「こんにちは。準備中のところすまない」


「……あなたは」


「エヴァンスは久しいね?」


「お師匠さん、お知り合いですか?」


「……顧客のひとりだ」



 つまりは、お師匠さんのお客さん?


 お師匠さんの言葉に、男性はにっこり笑顔になった。同じ年齢くらいだったと思うけど、あのぶちゃいくおじさん貴族とはえらい違いだ。



「君が……このパン屋の店主かな?」


「あ、はい。ケント……と言います」


「私はディルック=イシュラリアと言うもの。俗に言う貴族で、伯爵をやってるおじさんだよ」


「は……伯爵、様?」



 ってことは貴族?


 丁寧な物腰だけど……僕らのお店のパンを買い占めにでも来たの!!?

次回はまた明日〜

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