第75話 可愛い女の子達
お待たせ致しましたー
ジェイドが帰って行った後……入れ替わりのように、エリーちゃんもだけど、シェリーさんもやってきた。
ジェイドはすぐにテレポートか何かで消えたのか、エリーちゃんは彼を知っているのに何も言わなかったんだよね?
「やっほー!」
「こ、こんにちは!」
この二人は、冒険者としてのランクは全然違うんだけど……レイザーさんの魔眼事件(?)をきっかけに、仲良くなったんだって。
シェリーさんは、『シリウスの風』ってパーティーに最近加入したんだけど……上位ランクの冒険者メンバーの中では下のランクでも、偉ぶることはなく、パーティーメンバーのフォローが出来るように日夜努力しているんだとか。半分以上は、エリーちゃんから教えてもらった情報なんだよね?
それと、『シリウスの風』は……シェリーさんの先天性の体質改善には僕のポーションパンがまだまだ必要なので、完治するまではリオーネに常駐することが決まったらしい。
リーダーはレイザーさんじゃなく……シェリーさんの幼馴染みで片想い相手のジェフさんだけど。彼も良い人なんだよね? レイザーさんと少しタイプは違うけど、頼れる兄貴って感じ。
「いらっしゃい、ふたりとも。今日も買いに来てくれたの?」
「もっちろん!」
「はい! ひとつはフルーツサンドって決めてはいるんですが」
先日から、お師匠さんのヴィンクスさんが製品開発に加わるようになったんで……ポーション効果もだけど、種類も同じのが微妙に変わっている。
エリーちゃんは毎日ってくらいに来てくれる常連さんなので、お師匠さんのことは知っている。美青年に変わった姿を見た時は、お口があんぐりしてしまったけど。
「また色々変わったよ〜? 甘いものなら、オススメは『ミルクフランス』だね?」
「「ミルクフランス??」」
「ちょっとパンは固めだけど……バターをベースにしたコッテリ甘いパンなんだー」
「へー? 効能は?」
「傷、精神以外は……浄化だね?」
「じゃ、ヴィンクスさんが綺麗になったのって」
「あ、それは違うよ」
そのきっかけになった、新生カレーパンを紹介すると……見た目はゲンコツを大きくしたような丸いパンだから、ふたりとも首を傾げたけどね?
「これ、どんなパン?」
「少し……香辛料の匂いが」
「カレーって言う、香辛料をたっぷり使ったフィリング……ペーストとかを入れたパンなんだ。ちょっとだけ辛いけど、お肉ゴロゴロで美味しいよ」
「へー、それは興味出てきた!」
「辛いのだと……うちのメンバー全員も好きです」
「中身の関係で、長くても二日は保たないから……魔法鞄か亜空間収納に入れておいてね?」
「りょーかい」
「わかりました!」
他にもふたりは……ミルクフランスもだけど、色んなパンをトレーに載せて買ってくれた。
可愛い女の子がパン屋でお買い物してくれるのは……見ていて和むね。別に男性客を蔑ろにしているわけじゃないけど。
「シェリー、ジェフ達と合流してから……今日も特訓よ!」
「うん!」
けど、ふたりは冒険者だから……僕なんかよりも、断然腕っぷしあるんだよね? シェリーさんは、エリーちゃんが認めるくらいの格闘家らしいから。
「うーん……あ!」
帰って行ったふたりの後ろ姿を見て、僕はロイズさんがリクエストしてきた……いちごと練乳を使ったパンをどうしようか、アイディアがまとまったのだった。
次回は17時過ぎ〜




