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スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜  作者: 櫛田こころ


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第699話 師も作れるように?

 また色々大変な事態に……お師匠さんが巻き込まれた?? いや、この場合だと僕もだな。イケメン神様ことイーシャ様が僕らの知らない間に『やらかして』しまったんだから!!



「……お師匠さんもポーションパン作れるように?」

「……倍倍パンというか、具材を挟んだだけで」

「……どうします?」

「……どうしよう」



 今日はお店がたまたま定休日だったから、お師匠さんのところへ来ることが出来た。倍倍パンは目の前で作ってもらったけど、パンは僕のを使ってもきちんと『ポーションパン』として出来上がっていた。製造の項目には、リトくんのときのようにきちんと名前が記載されている……。


 これはとんでもない事態に!! お師匠さんはお師匠さんの方で仕事があるのに!!



「うーん。けど、お師匠さんは依頼が別であるからポーションパンを一から作るわけにはいかないし」

「……そうなんだ。今は手隙だが、そろそろ王侯貴族らからの依頼も来る。ポーションは言わば、『薬品』だから。風邪薬などで欲しがる連中もいる。治癒魔法で頼り過ぎないのは、エディの父王からの意向でな」

「なるほど。ポーションパンにしても、風邪だったら食べにくいですもんね?」



 僕も前に風邪を引いたときは食べれなかった。欠点はそこもあるけど、回復薬として必要なときに使えればいいから……薬品と食事は別々でいいかもしれない。なのに、イーシャ様は『うっかり』でお師匠さんに付与させてしまったらしいんだ。


 あと、ジェイドやラティストから聞いたけど……世界の管理者とはいえ、イーシャ様はまだまだ『見習い神様』らしい。どうりで、色々雑な部分が多かったんだよな? 子供ではないらしいけど、経験値とかが足りない感じ。


 僕だって、前世が未成年のままだったから……こっちで成人はしても中身はまだまだひよっこに変わりない。いっしょに成長し合うのって……神様といっしょなのは、ちょっと畏れ多いけれど。仕方がないので、これからお師匠さんのお仕事を増やすかどうかを決めて行こう。


 ちなみに、ロイズさんは今回めちゃくちゃ悩んでいるそうなので、今ギルドのオークションに出したい欲を抑えるのに頑張っているらしい。



「私の欲望で判明したとはいえ、これではただのポーションパンとも違う!! 聖水レベルだ……そんなの、オークションにでも出したらこちらの市場価格も大きく変わってしまう! 保護策だったとはいえ、ケントは私の弟子にしてあるし」

「……あと、問い詰めとか犯罪とか起きそうですよね」

「それくらいはまだ可愛いもんだ!! 契約精霊にジェイドらがいるから、身の保障はともかく……迂闊にパンをサンドするだけでも怖くなってきた!!」

「……無くすように、お願いできないんですかね?」

「出来たらしたい!!」



 ちなみに、ジェイドがイーシャ様に聞きはしたけど……なんか待ってほしいとか言われたらしい。スキルを無くす代わりのなにかを準備しているんだろうか? それくらいなら、お師匠さんもここまで焦らないんだけどなあ??



「……レイアとの時間がただでさえ減りつつあるんだ。これ以上負荷をかけるのはやめてほしい」



 本音はレイアさんとのデートだったり、いちゃいちゃが出来ずに困っているのか。いっそ結婚って言えないのが、レイアさんがまだ花屋さんの仕事もしたいし、リハビリもしたいからって意思が強いらしい。真面目で仕事意識の強い女性ほど、結婚に悩むとは本当のようだ。


 だけど、だ。



「ここにレイアさんが住んでもらうのも、難しいですかね?」

「あ?」

「いやだって。ジェイドの事情もちょっと知っているし、僕らが転生者なのはすぐに話せなくても……同棲はいいんじゃないですか? 住居スペースにお部屋あるのに」

「……考えたことなかった」

「ポーションパン製造のことはひとまず横に置いて、まずは心の安寧を重要視しましょう」



 なので、魔法蝶でレイアさんに来てもらってから事情を話すことになったんだけど。



「……お邪魔、じゃないんでしょうか?」



 元が控えめな性格なので、結構渋っていたけれど。そこはお師匠さんからの懇願が始まりました。



「いてくれ、レイア。一人暮らしではないが、基本的に篭もりがちな生活はもうしたくない。君のご両親にも、結婚前提のお付き合いなのは伝えてあるし。ロイズとルゥも結婚した次は……くらいには思われているだろう。まずは、いっしょに住まないか?」

「あ、はい。……それなら」

「よし!!」



 僕はちょっとだけ部外者だったけど、そのあとからお師匠さんはレイアさんといっしょに花屋さんへご挨拶にいきましたとさ。

次回は金曜日〜

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