第677話 季節限定をすべきか
ポーションパンだけじゃなく、『パン屋』としても営業している『スバル』だけど。
他のパン屋さんたちも、営業の持ち直しが安定してきた今こそ!!
二年目に突入のために、各自『競い合える』ってことがアイスパンで判明出来たのだから……季節限定品を僕のところでも作ろうと思うんだ!!
(ポーションパンになっちゃうのは仕方ないにしても、欲しい人は買ってくれるし)
値上げ必須の効能が高い方はギルド販売に切り替わったし……次は、通常商品以外のことだ。
目玉商品とも言い難いけど、旬の食材を使った料理と同じく……旬の野菜や果物でパンを作る試み!!
季節の変わり目のパンを作っていくのも、大事だもんね?
「とは言っても、秋……芋系と木の実系?」
芋とかぼちゃは一旦、ポンデケージョにしたけど。甘い系は無限に出来るから……そっちは保留。
僕が作ってみたいのは、『栗』だけど……手作りでグラッセやクリームを作ったことがない。ミハイムさんに、クリームを卸してもらうことも可能かもしれないけど……ケーキ屋さんでもそれで忙しくなってたら、大変だろうから却下。
「うーん。それだと、スイートポテト」
さつまいもの在庫はギルドだと異様に増えそうな気配らしく、むしろ消費して欲しいらしい。しかしながら、パンにするとなると……で、候補を絞っていくしかない。
・タルト風(生地はパイ)
・あんぱんぽく
・まるごと芋だけで作る
最後はミハイムさんへの提案ぽくもなったけど……全部作ったら、芋だけはポーション化にはならなかった。
「え? いいの? こんな美味しいの、僕の店で売る方にして」
「お菓子専門の方がいいと思って」
試食とレシピを渡せば、ミハイムさんはびっくりしたけど喜んでもくれた。逆にこっちには、かぼちゃのキッシュで具材を面白く変えたのはどうかのアドバイスをもらえました!!
「こういう意見交換いいね? サファのとこだとちょっと違うけど」
「適材適所ですしね」
「だね」
「あ、でも……かぼちゃをペーストにしたりして、味付けを塩っぱいのにすれば」
「わ! いいね!! 教えてあげようよ!!」
と言うことで、サファさんに魔法蝶を飛ばしてみたら……返事の代わりに、本人が来ちゃった。
「そのレシピ! 詳しく知りたい!!」
と言うことで、パン屋同士の定例会議みたいなのを時々することになって。
生産ギルドへ行った時に、ロイズさんからは『商会』をいずれ組んではどうかと言われた。
「適材適所もいいが、連携が取れた組合もいいもんだろ?」
「……ですね」
前世じゃお店とか会社って、夢の夢かと思っていたけど……今はそれが現実だし、ひとりじゃないんだと思えるから色んな人たちに頼ろうって言えるんだ!
次回は水曜日〜




