第673話 鮮度が大事な魚も
クリーム改良は一旦決まったので、次は惣菜系。
ここは前々から気になっていたことを、僕なりに改良していこうと思うんだ。
(……魚とかは、時間が経つとスカスカな食感になっちゃうから)
アジフライや白身魚のフライ。
まずは、この二つを改善しようと思う。包丁のプロじゃ無いけど、マーベラスさんが試作ついでにと色々包丁をくれたりするから……。
仕込みを雑にしたつもりはなくても、フライの改善点にちょっと包丁の扱いも変えてみた。主に切り口の問題だけど。
「おぉ。すっと、切れるぅ!」
白身フライ用のタラっぽい切り身の仕込みで実践したら、すっ、すっと切れて……あっという間に山が出来そうだった。これをパン粉つけるまで手を加えて、次は冷凍保存の方法だね!! 出来立ても美味しいだろうけど、僕だけで作るわけじゃないからさ?
キリアさんの研修にも使えたら……と、下準備するのは悪く無いはず。それに、焼成以外の手間を省いたとしても……ポーションパンのマニュアル化が出来れば、専門学校での授業にも活かせるはず。
ポーションパンが当たり前過ぎても良く無いけど、イーシャ様の考えは『循環して欲しい』だからね?
前世の記憶でも、わかる範囲内で伝授は惜しまない!
「えーっと、臭み消しは塩でいいから」
白身魚の次はアジでも同じように。臭み消し以外に、軽い熟成をすると旨みが増すって言う知識が本当なのか……自分で実験も兼ねて作ってみてるんだ。
刺身も釣りたてが美味しいとか色々言われているけど、フライも鮮度が大事な部分が多いらしい?の知識しかない。けど、独特の磯臭さは抜きたいから、塩振っているんだけどね?
このあとは、出てきた水をキッチンペーパーとかで拭いて、キリアさんにはパン粉の付け方を教えるついでに練習してもらい。
そのフライの準備は完全冷凍してから、翌日試作の分だけ揚げてみたら。
「ふわふわでやんすー。今までのアジの濃さも好きでやんしたけど……これはこれで美味いでやんすよ! これでフィッシュバーガー作ったら、めちゃうまでやんす!!」
「僕も好き〜。魚がふわふわって不思議ぃ」
『……おい、し!』
まず獣魔メンバーに味見してもらったんだけど……どうやら、好み以上の出来上がりになってたのか、手放しで褒めてくれた。
効能は特に変わってないと思いきや、注釈を見れば『瞬間完治』とか出てたので……ロイズさんと相談し直し決定だよ。とほほ。
たくさん仕込んだのが、今回ちょっとだけ仇になったみたい!?
諏方賢斗、やはりプロではないので……コントロールは難しいようです。
次回は月曜日〜




