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スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜  作者: 櫛田こころ


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第672話 パンからか具材からか

 基本のパン生地はすぐに作り直しは難しいし、そっちはゆっくり見直していく方向にしたいが。


 満足してはいけないから、ルヴァンやイーストの改善はもう少し気をつけようと思う。


 とりあえず、具材の改良かなあ?



「惣菜系は一旦置いといて、甘いものかな?」



 シェリーの体質も無事に治ったってことで安心は出来たけど。


 ポーションパンも、慢性している持病にはすぐに効くものもあればそうでないものもあるらしい。レイアちゃんの目はお師匠さんのポーションだったけど、回復薬って傷とかには即効性があっても病気は難しいみたい。


 全部を解決するのは出来なくても、改善策を取るのはいいよね?


 なので、今回は『ホイップクリーム』の改良をすることにしたよ?



「……ホイッパーのこれを、か」



 オープンキッチンの、初期からある業務用の電動ホイップマシーン。通称、ホイッパー。


 もちろん、撹拌の部品を変えれば生地にも使えるけど。このオープンキッチンには二種類あったから、衛生的に気にして二つに分けてあります。


 アレルギー問題はなくても、なんとなく気にしてしまうのが日本人と言うもの。お師匠さんはどーかはわかんないけどね?



「速度の感覚をマニュアル化してみるか」



 前は『勘頼り』にしてたから……よろしくないので、新人スタッフも使うこともあるかもと『美味しいホイップ』のマニュアルを作ってみることに。


 と言っても、計量は変えずに『空気の度合い』を変えてみることを重要視して行く。混ぜ方の速度で、ふわふわとか変わるんだよね? これ大事!!



「とゆーことで。まずは試食だけど」



 ここは新人二人から、先に味見してもらうことにした。先入観抜きの感想を聞きたかったんだよね? シェリーの持病を治したフルーツサンドのミニマムサイズでの味見にしました。



「……すごく、美味しそう」



 サーラちゃんはポーションパンを食べられる感動が大きいのか、お目目キラキラ。たしかに、こう言うのはスタッフの特権だからね?



「けど、美味しい以外に言えることがあれば、遠慮なく言ってね?」

「……厳しいものでも?」

「もちろん」



 キリアさんはまだぎこちない感じが取れないけど、仕事はちゃんとしてくれていても……あまりに長かったら、上司として相談には乗ろうかな?



「!? ふわっふわ!! え、軽い?? 溶けた……??」

「美味いが、たしかに不思議だ。舌の上で蕩ける?」

「果物との相性はどーう?」

「! 私は好きです!!」

「……好みと言われれば、たしかに。これは、全体的に変えるのだろうか?」

「前からのメンバーにも、もちろん聞くよ? 疑問点は遠慮なく言って欲しい」

「……そうですね。冷やすと、さらに美味しい気がします」

「……男も買うとなると、少し固いのが好みだが。購入者は女が多いのだろうか?」



 うんうん。きちんと意見が言えるのはいいことだ。とりあえず、クリームのレシピは一旦保留にしてから、交代で皆にも食べてもらったんだけど。



「『「ふわふわがいい」』」

「固いのも捨てがたいですが、いずれ固くなりますもの」

「そうだな……」



 と、過半数越えたから、ホイップクリームは変更になりました!! この調子でどんどん頑張るよ!!


次回は金曜日〜

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