第647話 記念日?
僕が異世界に転生して、一年くらいが経過した。
イケメン神様に言われ、ポーションとパンの流通の基準緩和にもだいぶ尽くしてきたと思う。
そして、お店を営業する上はともかくとして、生活している川であんまり意識してなかったことが。
『連休設けてなかった』
と言うことで、今絶賛風邪引き中です!! 寒い季節に近づいてきたこともあり、僕はベッドで大人しくしていて……カウルとスインに見張られています。ほっといたら仕事しちゃう悪い癖が出ちゃうので、ラティストからは信頼されていない。
リトくんもいい機会だからと、三日以上はおやすみ。給付金はもともと多めに出してあげてるから、ゆっくりしておいでと伝えてある。
お店も、昨日で出し切った商品以外の生地は、ラティストの手際で冷凍保存して亜空間収納に保存済み。ポーションパンは作れないけど、他は出来るからすっごく頼りになってる。
「……よく寝たぁ」
トイレ行こうかと起きたら、汗びっしょり。
寝るには寝たし、お風呂か体は拭きたい。カウルにラティストを呼んでもらえば、隣の元自室にいたのかすぐに来てくれた。
「……すごい汗だな」
「ちゃんとよく寝たからかも。……お風呂入りたい」
「泡風呂にしてやる。カウルといっしょなら見守りもいいだろう」
「ありがと」
女の子ぽいとかじゃなく、この世界の泡風呂はボディソープぽい入浴剤でも売ってるらしいんだって。ルカリアちゃんはラティストに持たせたそうな。
彼女は今、お店側の掃除をしてくれているが……一応貴族のお嬢様、なのにパートさんが板についちゃってる。
準備が出来たら、カウルといっしょにゆっくり湯船に入る。汗を流す意味で髪以外に体もわしゃわしゃするのが気持ちいい!!
「しっかり洗ったあとは、お湯張り直すでやんすよー?」
「はーい」
そこもラティストの指鳴らしで瞬間入れ替え。フワーっと寝たくなるけど、我慢我慢。
しっかりあったまったら、髪の乾燥以外は自分で拭いた。すっきりした分、どこまで動けるのか自分でもわかっておかないと。お師匠さんからも、ポーションに少し頼り過ぎの今を改善しようとも言われたしね?
そう。今回は『僕の休暇』のためにポーションパンは食べてない。
食べてもよかったけど、結局は仕事意識しちゃうってことで……お師匠さんとロイズさんがきっちり治せと釘刺されましたぁ。
今からはご飯だけど、パンが多いので卵のおじやでも……とラティストが用意してくれてた。炊飯器はオープンキッチンにあるし、材料揃っていたらすぐに出来るのも便利。
掃除が終わったルカリアちゃんも合流して、あと二日はしっかり寝て食べての休暇を過ごすことが決定。
僕のポーションパンは悪質な出来じゃないけど、薬物治療として偏りがちだから……『普通の生活』も混ぜようと従業員で設定されました。くすん。




