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スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜  作者: 櫛田こころ


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第645話 圧力鍋完成?


「出来たで! ケント!!」



 マーベラスさんが、試行錯誤を繰り返して……作り上げたという魔導具版の圧力鍋。お師匠さんとも、デザイン案は検討したから……見た目は家庭用の圧力鍋に近いかな?



「ありがとうございます! 試作では魚を煮たんですか?」

「おん。魚も肉もやってみたわ。具体例をケントが出してくれてたから、目標はわかりやすかったで」

「仕上がりは如何に?」

「こん中に入れてきとるわ。見てみ」



 冷めているのを持ってきてくれたので、蓋の外し方を教わりつつ開けてみると……中骨付きの鮭が!! なんか見るからに、ほろっほろな感じ!!


 試しに、ヘラで崩してみると……骨が固くない! ぐにゃっともしない!! これは期待大!!



「成功ですね!!」

「提案者に言ってもらえるんなら何よりや。しかし、使用する魔石の耐久性が求められんねん」

「なるほど。一般人に売るのはお高い……」

「質のいい魔石の調達。もしくは、構造そのものの見直しやな? これは壊してもええから、実験代わりに使ってええで」

「了解致しました!」



 なので、お疲れ様ということもあり。この鮭とマヨネーズに粒マスタードてあとはお醤油をちょろり。


 ベースの具材ができたら、今日はシンプルにサニーレタスとでコッペパンのホットドック風!!


 もちろん、お腹が空いてたマーベラスさんはがっついてた。効能は疲労回復と胃腸のバランス整えるとかでしたぁ。




「こっれは美味いわ!? あのパイ包みみたいなのにも、中身にしたいのわかるわ」

「ですね。圧力が抜ける時間気にしなければ、サンドイッチメインのお店でも扱えそうですけど」

「おん?」

「はい?」



 なんか変なこと言ったかなと思っていると、マーベラスさんは食べてたパンをごくんと飲み込んでいた。



「……圧力抜くの、一瞬でなくてええん? 冷ますのも?」

「そんな一瞬……の芸当求め過ぎですよ。僕がいたとこでも時間をかけて放置してたので」

「……抜かってたぁ! そやな、普通はそうや!! ここのオープンキッチンが出来過ぎてんねん!!」



 それに対抗いうか、順応しようと頑張れるマーベラスさんも凄いんですけど。


 ただ、エディのいるお城にも進呈予定らしいから、質のいい魔石依頼は必要ということで。



「任せて!」

「俺らも協力する!」



 ということで、エリーが加入してからの『シリウスの風』に依頼してみました。魔石の多い場所は少し離れているので、ちょっとだけ会えない。


 僕から持たせたのは、最近余りがまた出始めた『食パン』『フランスパン』。調理練習も兼ねて、エリーに預けたよ。



「気をつけてねー」



 僕はスインで戦えなくもないけど、ほんとの冒険者じゃないからお留守番はしょうがない。帰ってきた時の、食べたいポーションパンのリクエストは聞いたから……出迎えでそれが出来るのはいいことかな?

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