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スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜  作者: 櫛田こころ


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第642話 さてさて、ご対面

「……レイザー」



 ファルさんにはオープンキッチンとかのことは話しても大丈夫だとエディに言われ。ある程度案内したら、ジェフさんに引きずられるようにレイザーさんのご登場。


 いつもの、冒険者用にと汚れていい服じゃなくて……ちょっとさっぱりめのシャツとズボン。何着てもかっこいいのは、イケメンの特権だね! 念のためにと魔眼の方に眼帯はつけてるけど。



「女々しいのなんのって。婚約者が来てくれたんだろ?」

「…………素敵ぃ!!」



 ジェフさんがため息を吐いていたら、ファルさんはレイザーさんに抱きつきに行く。びっくりしたレイザーさんは慌てて抱えてたけど……うん、写真撮りたいくらい、お似合いカップルだ。エディだとカレカノに見えなくないけど、友だちって感じ……。



「お、おい? ファル」

「素敵過ぎ!! 元の髪色に戻したら、さらに惚れ直しちゃうわ!!」

「……ここではやめろ」

「なんでよ」



 たしかに、あつーいヴェーゼとやらをお披露目されそうで怖いなぁ……。それはそれでやめて欲しいね!! こっちが恥ずかしくなるんだもん!!



「んで? 久しぶりの逢瀬で、婚約はさらに固まったか? 王太子殿」

「……うちの弟のこともあるから、まだ先だがな」

「そうよ! まだ一回しか会えていないけど……トラディスは元気なの?」

「加入時よりは格段に、な? だが、自分のことは二の次なのは……そのままだな」

「……お見合いパーティー開いてあげようかしら?」

「「全面的にやめてくれ!!」」

「……あら」



 トラディス……愛されているなあ。男性版癒しキャラだからこそ、副リーダーとしても『シリウス風』じゃ頼りにされているもん。僕と似たキャラだろうけど、しっかり面では彼の方が上だろうさ。



「……望まぬものに、無理強いは良くない。引き合わせる『繋がり』とやらが魔剣を持つあれにもあるだろう」

「……了解致しました」



 しばらくして、お茶のおかわりを配ってくれたうちの大精霊様最近影薄いと思ってたけど……自分の家庭のためにも頑張っているもんね? ルカリアちゃんとは、事実上の夫婦だし。


 ファルさんにも、そのお話は既にしてあるともー。



「じゃ! レイザーさんが来てくれたので……はい、どうぞ!!」



 ポーションパンと、ポーションパンじゃないサンドイッチとか山盛りのバスケットを渡して……ファルさんといっしょにぽいっとお店から追い出しました。



「刻限は気にすんな。次が半年後くらいの再会かもしれないんだぞ? こんくらいの機会は任せろ」



 なーんて、エディが言ってあげたからか……レイザーさんは苦笑いしてバスケットを抱え直していました。ファルさんも可愛らしく頷くので、即席のデート計画は無事決行されたわけです!!

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