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スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜  作者: 櫛田こころ


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第632話『お祝いのクロックマダム』

 エリーのパーティー加入については、団体名が『シリウスの風』ってことで問い合わせ殺到どころか……ギルマスのルゥさんからも『お願いねぇ?』と指示があったので、無難に終わり。


 宴会は宴会で彼らだけであると思うけど。


 僕も僕で、エリーに何かお祝いしてあげようと思ってクロワッサンの山を見続けた。


 サンドイッチも嫌いじゃないけど、エリーは結構大食らいだから……しょっぱいのも甘いのも大好き。ケーキはシェリーが用意してると思うし、僕は僕でパンを加工しようと決めた。


 あえて、クロワッサンだけを多めに作って……僕自身で加工したいんだ。サンドイッチとかは仕込みも終わったけど、メイン風の温かいものは悩んでる。



「クロワッサン、のクロックマダムかなぁ?」



 ハムじゃなくて、ベーコンにして。


 ベシャメルソースは、通常の商品に使うのを拝借して。


 チーズもたっぷり……絶対に美味しいはず!! 焼くのは、カウルのオーブンだと秒でできるから大丈夫!!


 ここで野菜を敢えて混ぜちゃうと、水分が出ちゃうので却下。一応、サンドイッチにトマトやレタスは使うからね? カロリーは暴力だけど、どんとこいです!!


 念のため試作したけど、ポーション効果はまあまあ普通の値だったので良しとした。



「ケントー? 来たわよ」



 閉店あとに、エリーには住居スペースに来てもらい。僕はセッティングしていたダイニングテーブルの方に案内したよ? ラティストはルカリアちゃんの別宅にもう住んでいるし、リトくんらは自宅。


 ここには僕以外だと、カウルとスインだけだ。



「エリーはん、いらっしゃいでやんすー」

『……今日、お祝い。ご飯たくさん』

「なになに? お腹空かせて来たのよー!」

「前に食べてもらった食パンのクロックマダムを、クロワッサンで作ったんだー! 普通のサンドイッチもあるよ?」

「やった! あたし大好き!!」

「あっしのオーブンで出来立てでやんすー!」

「期待大、ね!」



 ただ、試作とは違って大皿で用意したから……エリーのキラキラ度数はさらに高まったと思うんだ!



「ケーキでもピザでもない大皿料理だよー!」

「すっご!? いい匂いでお腹空くー!!」

「僕らもまだだから、いっぱい食べよう!! 作り置き手前で焼けるのもあるから、お代わりの心配無し!!」

「さいっこう!!」



 そこから、お酒は飲まずにノンアルジュースでクロックマダムに舌鼓を打ち。満腹になっても、デザートは別だと最近見つけたマシュマロぽいお菓子を使ってスモアを披露。



「チョコもいいけど、あんこにもいいよねぇ。欠点は、炙ったあとの保証が出来ないから……チューイングガムぽくなっちゃう」

「ベタベタって意味?」

「そう。冷やしもいいけど、あったかいの知っちゃうと……おいしさ半減しない?」

「言われるとたしかに」



 ちなみに、スモアサンドイッチのポーション効能は『風魔法使用時間が延びること』くらいだった。今回は即席だったしね?



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