第63話 防御手段
お待たせ致しましたー
綺麗でカッコいい指輪。
これが……僕への報酬?
呪いを解呪したのにしては、もらい過ぎだとは思うんだけど……鑑定のスキルが、何故か発動したんだよね!?
【『守護の指輪』
・持ち主を守護する指輪
・持ち主の危機を、五回までだが安全地帯まで転移させてくれる
・悪意のある攻撃は大抵防げる(結界などで)
・レア度『5』の、魔導具レベルは高ランク
】
と言う……とんでもチートなアイテムだと教えてもらいました!!?
「こ、こんな凄いの!? 僕に!!?」
「ケントちゃん達が、レイザーちゃんの魔眼を解呪したからよん? あの子なりの誠意だから、受け取って〜?」
「け、けど……こんな、凄いの」
受け取れない……と言いかけると、ルゥさんに『ぷに』っと鼻の上に指を押し付けられた。
「じゃあ〜? 万が一……カウルちゃんやラティストちゃんって、防御手段がない場合……君に危機が対処出来ると、思う〜?」
「う」
それは断言出来ない。
ギルアさん達に囲まれたこともあったし……レイザーさん達がいなければ、あのぶちゃいくおじさん貴族からも……太刀打ちだなんて出来なかった。
魔法とかは、冒険者じゃないから使うこともないので……イケメン神様からの加護があっても、元はトーシローの人間だから戦うだなんて無理だ。
しゅん……としていると、あったかい手が僕の頭を撫でてくれた。
「なーんにも、手段がないよりよっぽどいいわ〜。この指輪は、君を守ってくれるのよん? 何かあった時の、保険にもなるわ〜」
ルゥさんだった。
エルフだから、当然僕だなんて転生してでも子供扱いなのは仕方ないけど……でも、嫌だとは思わなかった。
もう二度と会えない……お母さんと似た感じだったから。
「……はい。ありがとうございます」
「んふ。……で、このお菓子? どれがどんな効能なのかしらん?」
切り替え早いな!?
まあ、味見してもらうからにはきちんと伝えなくちゃだけど……。とりあえず、三種類の効能をお伝えすると……ルゥさんはキラキラとした笑顔になったんだ。
「……以上です」
「まぁ〜! すんごいわねぇ!! ハイレベルのポーションにも匹敵するわ!!」
「……そうなんですか?」
ポーション含める、回復薬の市場価格は……エリーちゃんやロイズさんにだいたいは教わったけど。僕には、防腐効果のある魔法は扱えないから……普通のパン屋よりちょっとお高い値段でしかポーションパンは販売していない。
カレーパンや、ライスバーガーとかは別扱いだーけーど。
「そうなの〜。けど……そうね。日持ちしにくいのなら、今まで通りの値段でいいと思うわ」
と言って、チョコのマフィンを手に取り、ルゥさんは美味しそうに頬張ってくれたのだ。
次回は17時過ぎ〜




