第622話 実はスイン自体が?
エディにリリアちゃんとの婚約式って招待状をもらったんだけど。
リトくんとハムスが帰宅時間になってから、スインの調査結果を話してくれたよ。なんと、一応帰ってはいっちゃったけど……今のスインとあの竜くんの意識はほぼほぼ同調しているらしく。
でも、スインには完全に馴染んでいるわけじゃないようなので、話し方とかはいつものカタコト。お城側では、マーベラスさんが魔導具本体を造ったから……擬似生命体の功績にしたままだけど。
実は、僕とカウルが最初のパン作りに使った水……の中に、意識が溶け込んでいたので。器が欲しくて、僕の体の中で待ってたみたい?? どうやら、もともと意識のあるカウルには移動するつもりはなかったとか。
『……ワタシ、まだ居たい。マスター……の側に!』
ちょっとぼんやり系だった、スインの意思がはっきりしてるような気がする!! たしかに、これは半分くらいはあの竜くんと混じっているのかも。
「従業員もだけど、家族として?」
『! うん!』
「もちろん。スインも僕らの家族だよ! みんな、いいよね?」
あの竜くんの本体はおうちの方だけど、これで全く寂しくないならいいかな? とりあえず、これまでスインが作ってしまった『やり過ぎスキル』については封印のまま。
あれが、竜くんの加護とかだと大変ですまないからねー?
「スイン! なら、あっしらは義兄妹になりやしょう!」
『? きょーだい?』
「上も下もありやせん。希望があれば、あっしは弟にでもなりやす。けんど、あっしらはケン兄さんの直接的に扱われる存在でやんすから。いつでもなんどきでも……互いを助け合いやせんか?」
なんか、カウル……かっこいいこと言っているけど。
(多分、はぐれ時代が長かったから兄弟姉妹に憧れてたんだろうなあ……)
僕も前世じゃ死んじゃっているし。兄弟姉妹とかもいなくなったけど……友だちもたくさんできたし、恋人もいるし仕事も充実。
次の段階である『上に立つ』は仕事以外でも考えなきゃだけど……一応成人式はちゃんとしても!! お金はあるが、エディのように早く結婚しないでいいはずだから!!
『なる! ワタシ、それならカウルに……兄役、お願いしたい』
「あっしが、兄でいいんでやんすかい?」
『竜の意識。上がいない……下ばっかり。それに、カウルの方が先輩』
「りょ〜かいでやんす!」
向こうは向こうで解決したようなので、僕はエディと端っこで結婚概念について相談に乗ってもらってました。ルカリアちゃんだとエリーの筒抜けの可能性大だし、冒険者の登録もあるエディの方が理解はあるはず!!




