第619話 あまり生地で、クロワッサンの??
形はリトくんとハムスには任せたけれど??
大きめに伸ばした生地に、もう一個は薄めの。
「んー? ラビオリ風??」
「すっごい師匠! わかっちゃったんですか!?」
「……まあ」
具材が魚系なのと、子どもの発想。
その結果がこれであれば、僕くらいの製造員見習いでもわかっちゃう。というか、近くにフォーク見つけちゃったからね!? あれは、子どもの指圧じゃ生地同士が離れちゃうもん!!
「ラビオリ?」
「聞いたことがないな。……パンの名前か?」
「うーん……小麦粉はあっているけど。パスタ類の名前だよ。ほら、ラザニアも板状じゃない?」
「「「ああ!!」」」
「たくさんあるんで、重ねるのはどうかなって……」
「いいね? 接着剤代わりは、試しに水にしてみよう」
ちょうど、出来上がったシャケのフィリングを使って……ほほいと見本を作ったら、また歓声が。パズルを組み合わせたのと同じなのに、大袈裟なんだよな?
スインが戻ってきたら、また手伝いたいだろうから……次は。
ブルーベリーっぽい木の実。
おなじく、さくらんぼぽいの。
今度はこのふたつでジャムを作っていく! 甘いパンが好きな人も多いから、季節ものでの入れ替わりは大事!!
「別々で作るでやんすか?」
「いや? ちょっと試したいことがあるんだー」
ルカリアちゃんに、ここで登場してもらおう。ルゥさんは表でパン買ってたのか、袋は抱えてたよ。
「どうかされましたの?」
「女性意見を聞きたいんだよね? あのね? 甘いジャムをふたつ使おうとしてるんだけど。仕切りをつけるのは、並べるのか上下の層にするのか……で、両方作ろうとしていたんだけど」
「まあ! 新しい試みですのね!!」
「単体じゃないのねぇ?」
「三食ジャムパンじゃないのもいいかなって」
実はこのヒント、さっきのリトくんのからもらったんだよねぇ? 酸味の強いジャムは、デニッシュ生地との相性抜群! パイにも人気だから、合うと思うんだ!!
「ケン兄さん、ミルク多めのカスタードも出来たでやんすぅ」
「ありがと、カウル」
デニッシュ生地とジャムには隔てるものがないと……焼く場合、染み込んで貫通する場合があるからね? 美味しい上のジャムを保護する意味もある!
ただし、よくある並べがいいか層がいいか、は僕も悩んでいるんですけど!!
大きめのをひとつずつ作って、カウルのオーブンにイン!!
《リメイクデニッシュ(ジャム編)》
(二層編)
・冷え解消
・日焼け軽減
(並べ編)
・軽度の風邪完治
・鼻炎軽減
だそうです。リメイクだから、簡単な病気完治ってところかなぁ??




