第613話 いざ、ダブルデート!②
他にもおかずとか作ってきたけど。エディが持ってきてくれた塊チーズを全部使っての……チーズパンだったり、ラクレット掛けでお腹いっぱい!
次は、の前にまずは食休み。
エリーとエディが防御結界って言うのを張ってくれたから……のびのびとお昼寝タイムに。リリアさんが、この時のためにと自分の魔法鞄から大きなクッションを二つ出してくれました!
物凄く大きくて、ふっかふかで! エリーと一緒にはしゃいでからゴロンと寝転がった。
「ふっかふか〜……」
「気持ちいいわねぇ……」
なので、僕とエリーは普段の疲れもあってか。すぐにスヤスヤァとしてしまいました。エディたちの声もなんとなく聞こえたけど、向こうも寝よっかみたいな声は聴こえてきた気がする。
なのだけど?
寝たはずなのに、意識がはっきりしてきて……気づいたら、さっむい空間に放り込まれていた!!
「さっむ!? エリー? エディ?!」
誰もいない、僕だけ? なんでひとりで……と思ったら、右からぽわって波紋のように波打つものが見えると、白い手が出てきたあとに。びっくりした様子のエリーがそのまま出てきた!
「ケント!? 君だけじゃなかったのね!!」
「良かった! エディとかは?」
「見てないわ。けど、この波紋何? ケントを探したらすぐに吸い込まれて」
「なんだろう?」
と言うか、僕らの体は(?)と手を握ろうとしたけど……するってお互いすれ違うように、すり抜けた。なら、これは現実じゃなくて、夢の世界? 以前あったルカリアの事件の時と同じか……可能性はあるけど、自己判断は良くない。
お互い触れられないけど、一旦じっとしようとその場に座ることにした。
「……エディたちが気づいてくれたらいいけど」
「向こうも同じ状況だったら?」
「やめて。めちゃくちゃ有り得そう!」
「寒いけど……湖の中?」
「そうね。意識だけ連れてくるってことは……『何』かがあたしたちに用件でもあったのかしら?」
「用件ねぇ?」
寒いのと真っ黒い空間以外、僕とエリーはお互いに触れない。何をしたいのか、僕たちの体の方は大丈夫なのかとか色々気にはなるけど。
ひとまず、僕はひとりじゃなくてエリーも一緒なのが嬉しかった。エリーも同じなのか、冒険者らしく今は周囲を警戒してても血色のいい顔つきはしてた。
「精霊とかの気配察知は得意じゃないけど。とりあえず……危険はあんまり感じられないわ」
「じゃあ。引き込んだ『誰か』が助けを求めているとか?」
「なくもないけど……この暗闇の中、声も何も」
「だよね? 僕らに何をして欲しいんだろう?」
「魂を抜けさせても、殺す気は無い……なら、救命にしても自身を見せないって」
『……で、づ』
「「ん??」」
エリーが警戒していた様子を解いたあとに、ふわんと小さいけど……可愛い声が聞こえてきた。二人であちこち探してみたら、エリーの右脚のブーツにちっちゃくしがみついてる、骨型の幽霊みたいなのが??
「かっわいい! オバケみたいにも見えるけど、可愛い!」
「スケルトンを可愛いって……けど、何あんた? 幽体は珍しいわね?」
『そ、その……ボクは、創られた意識体なので。本体では、ないです』
「え? そうなんだ?」
本体はどこ? とエリーと聞けば。スケルトンくんは後ろに向きを変えたんだけど。僕とエリーはそれを見て大声を出したのは悪くない!!
「「ド、ドラゴン!?」」
おっきな鎖でぐるぐる巻きにされているけど。暗いが、緑色のどデカいドラゴンが後ろに居たんだもん!? いつからそこにってパターン。
『ボクは、ドラゴンの子どもです』
「「いやいやいや」」
エリーも遭遇したことはあまりないらしいけど、このサイズで子どもなのは信じられません!!
でも、スケルトンくんは意識として助けを求めているのは……よく分かりました。だって、ぐすぐす泣いているんだもん!! 僕は無理だと思ったのに駆け寄ったら……何故か抱っこ出来ちゃった?
「あれ? 出来た?」
「なんでよ??」
『ご、ご主人様……だった!』
「「は?」」
いったい何を……ってぽけっとしてたら。スケルトンくんは僕の胸元にすりすり? あ、なんかカウルやスインみたいな可愛い子に見えちゃう!
「……ケント。カウルたちと違うから!」
「ごめん……」
『水を使ってくれたから! やっぱりご主人様だ!!』
「「え??」」
なんかまた違う話を切り出されると、僕とエリーの体が揺れた気がして。次にはっきりした時は、エディとリリアさんに物凄く心配される顔が見えた時だった。




