第606話 仲良くなる①
お待たせ致しましたー
「神獣……だと!?」
「ハムス!? なんで君が立候補するの!? 里は大丈夫なの?!」
『大丈夫です! ジェイド様!』
明るく自由なハムスの返事に、ジェイドは意識体の彼を抱き上げて上下に揺らした!?
「大丈夫じゃないでしょ!? 後継が居たとしても、君以上の守護がそう簡単に育つ!?」
『いや〜、実はこっそりと』
「ちょっと!? 計画的!?」
「……なんだ。このマスコットキャラの陽キャは」
『僕はハムス!』
「ゆるキャラ要素もあってどうする!?」
ツッコミどころ多いけど、とりあえず……大丈夫かな?
やり取りを繰り返してから、ハムスにカウルの魔導具変身を見てもらいながら説明すると。
『僕も、カウルくんのように出来ちゃうの!?』
物凄くやる気満々で、つぶらな黒い瞳がキラッキラに輝いた。これは、本当にリトくんの相棒になるつもりだ。
「あ、あっしをくん付けにしないでくだせぇ。ハムス様」
『そう言ったら、僕のこともそんな呼び方しないで? 正式決定じゃないけど、僕だって君の仲間になりたいんだよ?』
「…………ハムス、はん?」
『うん!』
カウルに獣魔仲間が出来そうでよかった、かな? 確かに今まで街中では見つけても、交流はしてこなかったからね。こう言うパターンはほとんどなかったので、カウル自身も嬉しそう。
ポーションパンの作り方については、ハムスも納得してもらえそたことで、次はだが。
「……リトと」
「リトにだよ?」
大精霊兄弟が、このハムスをリトくんに会わせて、かつ獣魔契約をさせていいのか悩んでいるのだろう。精霊の里の守護を本当に後任の神獣さんに任せていいのか……僕は事情を詳しくわかっていないから、あんまり実感ないけど。
「ししょー! 忘れ物取りに来ました!」
とここで、リトくんが何故か戻ってきたぁああ!?
「リトくん!?」
「? ヴィーおししょーとジェイドさん? なんでいるんですか?」
「……これは」
「……その」
『わー! その子がリト!?』
事情を説明しようとしたら、ハムスがぴょんと飛び出してリトくんに抱きつきに行った!? 意識体だからすり抜けると思ったんだけど……そんなことなく、リトくんが抱っこ出来ちゃった!!
「え? 透けてる……かわいい!!」
『僕、ハムスだよ。リト!』
「ハムス? 君なーに?」
『しん』
「「ちょっと待て!?」」
いきなり神獣だと言い出そうとしてたので、慌ててお師匠さんとハムスを引き剥がしてオープンキッチンの端に引っ張ることにした!!
「「色々待て!!」」
陽キャだからって、いきなり身の上明かして驚かせるのはよくないから!!
次回はまた明日〜




