第47話 エリーからのお知らせ
お待たせ致しましたー
調理は一旦中断して、エリーちゃんからの報告を聞くことにした。
どっちからのギルドだとしても、大事なお話に変わり無いからね?
「まずひとつ。ケントが生産ギルドに卸してる……オークション用のポーションパン。問い合わせ殺到で、ここ数日だと、貴族が買い占めそうなくらいの勢いだわ」
「え」
貴族ってワードに、昼間来たぶちゃいくなおじさん貴族を思い出した。エリーちゃんにも、僕の表情でわかったのか大きくため息を吐いた。
「ダルディア卿ね? けど、あいつは……昼間『シリウスの風』に睨まれたことで……この街に二度と来ないそうよ?」
エリーちゃんがだんだんとニタァって怖い顔になっていくから、僕もだけどカウルでなんとか落ち着かせた。せっかくの可愛くて綺麗な顔が台無しになるのは悲しいもん。
「……しかし。貴族が買い占める……と言うことは。金はいいが、ケントのパンが多岐に渡らないと言うことか?」
「……そうなのよね」
エリーちゃんがため息を吐いた理由がわかった。
たしかに……イケメン神様と約束したことができなくなるのは大変だ。この世界の、もっとたくさんの人達に……ポーションパンは広めたいんだもの。
「んー……けど、オークションは大事だし」
このお店だけじゃ、ほとんど街中の人だけだから……たくさんの人が出入りするギルドでなら、噂を広めてくれるだろうからとロイズさんが提案してくれた。
だから、数は限定してるけど……オークションで今もポーションパンを卸しているんだよね?
「まあ、でも。いい知らせもあるのよ」
それがふたつめ、とエリーちゃんは指でVサインを作った。
「いい知らせ?」
「こっちで、ダルディア卿が『シリウスの風』に睨まれたって言ったでしょ? 彼らはあたし以上に高ランクの冒険者パーティーで腕も立つし、人望も厚い。特に、魔眼のレイザーは王族の人間かもって噂があるのよ。いくら貴族でも、王族の人間には逆らえないわ」
「へー?」
渋くてかっこいい人だったけど……レイザーさんが王族?
あれ、そうすると弟さんのトラディスさんも?
プライベートな内容だから突っ込んでいけないことだろうが。
「だから、この街で貴族が横行したら……レイザーの認めた人間が経営してるポーションパンを、下手に独占出来ない。さらに、強力な冒険者がメンバーに加わったんだもの」
「え、誰が?」
「君がポーションパンを売った相手。シェリー=ポンフリームよ」
「シェリーさんが?」
メンバーのジェフさんに会いに行くとは言ってたけど……シリウスの風に加入出来たのかな??
「彼女はランクは少し低いけど……魔法使い兼拳士として巷では有名なのよ。ごろつき以上に腕が立つし……ジェフの古馴染みとくれば……って感じだったそうよ? たまたま、冒険者ギルドにあたしが行ったタイミングでメンバー加入するのを見たのよ」
「……そっか」
シェリーさんが、ジェフさんに告白したかどうかまではわかんないけど……良い結果になって良かった。
とりあえず、一歩前進……だね?
ただ、何かを忘れているような??
次回は17時過ぎ〜




