第293話 デートの申し込み
お待たせ致しましたー
エリーちゃんのお家に着くと、ちょうど玄関から誰かが出てきていた。
あの髪型は!
ふんわり赤髪のポニーテールは!!
間違いなく、エリーちゃんだ!!
僕は嬉しくて、カウルを落とさないように片手で抱えてから手を振った。
「エリーちゃぁん!」
「ケント?」
今から依頼を受けに行くのかな? いつもの冒険者さんの装備を身につけていたから。
だけど、これはチャンスだ!
「ちょっとお誘いしたいことがあって」
「え、ごめん。今日シェリー達と合同任務が」
「ううん。今日じゃないよ? 三日後とか大丈夫かな?」
「三日後? それなら……大丈夫だけど?」
「ほんと!?」
よし、これで心置きなくデートに誘えるぞ!!
僕はカウルをラティストに預けて、エリーちゃんの前に立ったら……両手を包み込んで目を合わせた。
「?」
「僕と、デートしてください!」
「え、デート?」
「……ダメ?」
「ダメじゃないけど……」
ちらっと、ラティスト達を見たから……人前が恥ずかしかったんだろう。まあ、そこは今しょうがないとして。
「この前みたいに、あそこでデートしよ?」
街中でデートしてたら、いろんな人達に絡まれるだろうから……指輪をビシッと渡すんなら、あそこがいいと思う。……エディには教えてないから、多分デバガメはないと信じたいけど!!
「……うん! 行きたい!!」
エリーちゃんがキラッキラな笑顔で言ってくれたから!
デートは何とか日取りを確保。
エリーちゃんを見送ってからは……お店のスケジュール変更をラティストとカウルと詰めていく。
もちろん、スバルは休業するんだけど。
「オープンキッチン展開しておけば、酵母とかも無駄にならないし」
「心配はするな。ケントに管理方法を教わったから、俺とカウルでなんとかしておく」
「楽しんできてくだせぇ!」
「ありがとう!」
本当に……異世界の人達は皆んないい人ばっかりだ。
とは言え、エディがお仕置きしまくったダメ貴族さんとかは別だけどね?
あとは、告白した日と似たように……お弁当とおやつをたっぷり仕込んだ! ラティスト達のご飯とかの分も一緒に作ったら、二人とも喜んでくれたよ。
(デート、デートぉ!)
しかも、エリーちゃんの誕生日だから……好きそうなご飯をぽんぽんたくさん作れちゃう!!
転生前も含めて、人生初の彼女さんだから……大切にしたい気持ちは常にあるからね!
甘やかしてあげたい気持ちもある!
腕っ節は負けるけど、僕の取り柄はそれくらいだから。
あ、でも。殺人(?)サーブを鍛えれば、役には立てそうだから……マーベラスさんにちゃんと依頼して、武器作ってもらおうかなあ?
次回はまた明日〜




