第289話 誕生日について
お待たせ致しましたー
贈り物……と言うことで、はっとしたんだけど。
この世界に……『誕生日』って概念はあるんだろうかと思ったんだ。
年齢を数える習慣はちゃんとあるから……年一でカウントするんだろうけど。
どのタイミングでするんだろう?
これは、重要事項だ!! と、エリーちゃんのお家での挨拶を終わらせてから……別日に、お師匠さんのお家に突撃したのです!! お土産のポーションパンではお馴染みのフィッシュバーガーを収納魔法に入れて!!
「あるぞ? 誕生日は」
突撃して、すぐにフィッシュバーガーを渡してから……聞きたいことを聞くと、お師匠さんはバーガーを食べながら答えてくれました。
「月の呼び名とか違いますよね?」
この世界の季節の呼び名は……ファンタジーだけど、日本の古い月の呼び方と同じだ。日にちの呼び方は、1なら『ついたち』とか。曜日は特にない。
だから、僕も転生した人間だけど……すぐに覚えることが出来たのだ。
「そうだな? 暦の大体は同じものだ。祝日は陛下の誕生日くらいだが」
「……5月5日?」
「そうだ」
なんでマブダチの誕生日だって教えてくれなかったんですかぁあ!?
まあ……まだまだ先だから、エディは一旦置いておいて。
エリーちゃんがいつなのか。
ラウルさんには、ちょっと聞きにくかったから……体裁的に。だから、次の打ち合わせの時にはきちんと言おう。
エリーちゃんの誕生日に、指輪をプレゼントするって。
ただ、いつなのかは全然知らないのは……彼氏としていかがなものか!?
「……お師匠さん、エリーちゃんの誕生日は」
「……私が知ってると思うか?」
「……ですよね」
ロイズさんとかはともかく……エリーちゃんとそんなに交流の少ないお師匠さんだとわかるはずがない。
素直に、本人に聞くか……と思ったけど、指輪の件もあるからまだ言いにくい。
なら、ロイズさんに聞こうと……生産ギルドに向かえば。
「あと三日後だが?」
ロイズさんに聞いたら……『へ?』って顔されちゃった!?
「み、三日!?」
「お前さん、知らなかったのか?」
「……そう言う話なかったので」
「……ケントらしいと言えばらしいが」
呆れられたけど、ど、どうしよう!?
あと三日じゃ流石に指輪だなんて無理だ!!
これは……もう一度、ラウルさんに聞きに行かなくちゃ!?
けど、お家行ったら……エリーちゃんもいるだろうし。
これは、諏方賢斗……史上最大のピンチだ!!
「あ〜ら? お困りぃ?」
とここで、ご登場したのは……今日も際どい水着アーマーを着こなしていらっしゃるルゥさんだった。
ロイズさんに用があるにしては……僕にニッコリ笑顔を向けてきたのだ。
次回はまた明日〜




