第275話 個性強すぎ
お待たせ致しましたー
違う意味で面白い状況になっていくけど、ここはきちんと謝ろう。
「なにも知らずにすみません」
僕が謝罪すると、マーベラスさんは『へ?』と声を上げたのだ。
「ワレ……やなくて、ケントか? なんで俺に謝るん?」
「いえ、だって僕がマーベラスさんのことを知らなかったのは、事実ですし。田舎者も含めてですけど……ちゃんと言わなきゃなって」
田舎者どころか、異世界からの転生者なので……知らないのも無理ないけど。その事実は簡単に言えないので、そう繕っておこう。
僕がそう言うと、何故かマーベラスさんはいきなり号泣し出した!?
「「「えぇえ!?」」」
そのことに、僕、エリーちゃんとカウルは声を上げちゃったけど!?
「……ひっく。な……なんちゅーええ子やねん!? ほんまに、ヴィーの弟子か!?」
「…………事実です」
「陛下が認めるわけやわぁ!!?」
で、しばらく泣いてから……派手な色合いのハンカチで鼻をかんだのでした。
「……あの。僕に会いにいらしたんですか?」
とにかく落ち着いた様子なので、本題に移ることにしました。
「せやで?」
「お店に来てくだされば」
「定休日って書いとったから……」
「あ」
そこは、きちんと弁えているんだ? それでお師匠さんのところにきたのは納得が出来た。
「……それでこちらに来たのだ。ある意味ラッキーかアンラッキーと言うべきか」
「俺にはラッキーやで!! ポーションパン持ってきたんなら、食えるん!?」
「え、えぇ……」
テンションの違いはあるけど……エディやお師匠さんのお友達と言うことはなんとなくわかった。食べ物に貪欲なのがそっくりだから。
とりあえず、収納魔法から出したんだけど。
「…………これ、パンなん?」
マーベラスさんは、不思議そうにかのこ食パンを眺めていたんだけど。お師匠さんが肩をツンツンしたら、はっとして……よくわかんない拍手とかの動きをしてから、もう一回眺めたんだけど。
その後に、ひっくり返っちゃった!?
「マーベラスさん!?」
「……大丈夫だ。鑑定のスキル使って、パンの効能を見ただけだ」
「……今ので?」
僕や、お師匠さん……ロイズさんのとも全然違う感じだったけど??
「ち、ちっこいパンに、一種類やなくて複数のポーション効果!? ヴィー!? ワレにもほとんど出来んかったやろ!?」
僕とお師匠さんが話してたら、マーベラスさんは勢いよく起き上がった。動作の一個一個が面白いけど……今言うべきじゃないのでやめておいた。
「彼は特殊なので」
「ワレかて充分特殊やわ!? 知らん間に、契約精霊使役しとっし!!?」
「……彼はたまたまです」
「うんうん」
ジェイドが召喚に応じたのは……本当にたまたまだったらしいからね?
僕とラティストは、ちょっとした厄介ごとからの出会いだけど。
「……そうか。んで、そっちの別嬪なにいちゃんと姉ちゃん誰や? なんでスライムまでおんねん?」
今更だけど……僕に興味が向いてて、ラティスト達忘れてた!? ある意味すごぉい!!
次回はまた明日〜




