第27話 出来立ての特権
お待たせ致しましたー
なので、サンドイッチをする前に……まずは、食パン一本でやってみたいことがあった。
前世ではお行儀が悪くて出来なかったことを!!
まずは……出来立て食パンを人数分に手で割いて分割。
軍手をしている手でも、出来立ての食パンのふんわりした感触がよく伝わってくる!
これを……ひとつひとつ、真ん中くらいに切れ目を入れて。
「適当にカットした加塩バターをどーん!!」
「えぇ!?」
「ケン兄さん!?」
「……何を?」
「はいはい、出来たよー?」
トーストしてないけど、出来立てバターブレッドぽいの!!
焼き立てなので、バターがどんどん溶けてパンの白いとこに染み付いていく。その溶け具合がとても美味しそうに見えたけど、皆食べる様子がないので手本も兼ねて僕が最初に!
大口を開けて、かぶりつく!
「「えぇえ!?」」
「……豪快だな」
皆のほうけた表情はともかく、僕は夢中になって食べていく!!
「おいひい!!」
表面はカリッと。内側はふわふわで……バターが染み付いた部分は甘塩っぱくて……じゅわ〜っとしたところが幸せを伝えてくれるようで、めちゃくちゃ美味しい!!
ポーション効果も、ちょっと失った体力をみるみる回復させ、今から走り込み出来るってぐらいになっていった。
まだお昼前だけど、パクパクもぐもぐと……あっと言う間に自分のを食べ終えちゃったよ。
「……ケント。これ食べていいの?」
「もちろん!」
エリーちゃんが、恐る恐るって感じに聞いてきたのに、僕は強く頷いてひとつを渡してあげた。流石に僕のようにかぶりつかなかったけど……ちぎった食パンを口にすると、昨日みたいに顔を輝かせてくれた。
「美味しい!! あのバターロールより……香ばしい? 甘い? けど、バターの部分が塩っぱくて……でも、やめられないわ!!」
最後にはお行儀も忘れてかぶりついていった。ポーションの効果も出たのか、昨日みたいに体が軽く光ったよ?
「……美味い!」
「おいひいでやんすよお!!」
ラティストとカウルも、エリーちゃんの様子を見て手に取ってくれて……カウルは溶かすように、ラティストはお行儀よく食べてくれていた。男だからか、遠慮なくむさぼるように。
「こう言う食べ方は出来立ての特権だけど。普通は少し薄くスライスして……バタートーストとかジャムトーストにするんだよ?」
バタートーストに、あんまい苺ジャムとかたっぷり塗ったら……幸せの食べ物になるなあ?
こっちの今の季節はまだ知らないけど……長袖だし、少し肌寒いから、やっぱり秋か春手前かな?
水は今回……オープンキッチンから水道で出たのを使ったけど、少し冷たかったから夏や冬じゃないと思う。
とりあえず……試食し過ぎちゃいけないから、オープンサンド以外にも……作ってみたい、食パンのサンドイッチを作ることにした。
「……肉を使った、サンドイッチ??」
「そう。カツって言うのもいいけど……ちょっと趣向を変えて、ハンバーグを作ろうかと」
「……ハンバーグと、パン??」
どうやら、異世界にもハンバーグはあるみたい?
あのイケメン神様が管理(?)してるからか、日本と似たところがここにもあるんだなと思った。
次回はまた明日〜




