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スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜  作者: 櫛田こころ


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第266話 ポーションあんぱんの効能

お待たせ致しましたー



「こっちのが重い!!」



 トラディスが、さらに小さな包みを持っていたのだが……そっちの方が重い?


 どうゆうことだ? と俺もそれと同じ包みを持ってみたんだが。



「おっも!?」



 ずっしりと……重い!?


 鉄球ほどではないにしても……めちゃくちゃ重い!!


 たしかに、運んでいる時は……量が多いから重いと思ってただけだったが。


 なんで……こんなにも小さいのに、重いんだ!?


 これが……食いもんで、ポーションなのか!?


 包みを開けてみたが……けしの実が上についている、小ぶりな丸いパンだった。



「……ちっせぇな?」


「…………小さいね?」


「……だね?」


「…………パンなのか?」



 ケントのポーションパンは、どれもが飛び抜けて見た目も美味そうだが……味も美味い。


 今も……香ばしい匂いで腹が鳴って仕方がない。


 とりあえず……食ってみるかと俺やジェフは、それをかじろうとしたが。


 トラディスとシェリーは、半分に割った途端に……思いっきり声を上げた。



「「黒い!?」」


「「は??」」



 俺とジェフは食う手前でやめて……トラディスらの割ったパンを覗き込んだが。


 中身が、黒かった!?


 ただ黒いじゃなくて……何かを練ったもの?


 なんじゃこりゃ!?



「うっま!」



 って、ジェフはいつのまにか気にしねぇで食っていやがるし!?


 んでもって、腕の深い傷痕が消えていく!?


 早速……ポーションの効果が出やがったのか!!?



「……ジェフさん、美味しいです?」


「おう。甘いし、ほくほくしてっし。俺は好きだなあ? 甘いコーヒーとかと合いそう」


「「じゃあ!!」」



 で、トラディスとシェリーもかじりつけば……ポーション効果の光はなかったが、どっちも可愛い笑顔になりやがった。


 であれば、気にしてる俺もバカバカしくなってきたぜ。


 ひと口食べれば、甘さと同時にパンの美味さが口いっぱいに!! ただ……すぐに、左目が疼いてきた!?


 ライスバーガーの時に感じた激痛ほどではないが……痛いもんは痛い!!


 そして、パンを落として……眼帯を押さえた時だった。



【魔眼再ダウンロード。欠損部分完全回復します。見た目を軽減出来ますが、いかが致しましょうか?】



 どう言うことだ?


 神のアナウンス?


 痛みは次第に引いてきたが……泣きそうになってるトラディスが近くにいるのが見えて。


 すぐに、俺の答えは……決まった。


 アナウンスに応えることにしたんだ。



『戻せる部分があるんなら……戻してくれ』


【是】



 そして……俺の眼帯の紐が緩み。


 さらに、目の具合が良くなったのか……メンバーの顔がはっきりと見えたのだった。

次回はまた明日〜

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