第253話 パジャマパーティー②
お待たせ致しましたー
「君達がリオーネで、これまで通りポーションパン屋を営業していけれるように、全力を尽くす!!」
エディはそう言って、思いっきりガッツポーズをしたのだ。
「……今まで通りでいいの?」
僕としては嬉しいけど……勲章を授与しちゃったから、少しは変わるだろうと事前にお師匠さんからは注意されたが。
「ああ、いいとも! 俺もあっちの姿で時々遊びに行くし」
「……今だから言うけど、それ『お忍び』?」
「前だったらな? 今度は純粋に『遊び』にいく!」
「……エディが王様って知っている人いない?」
「ヴィンクス以外には、それぞれのギルマス。あと、レイザーがいる『シリウスの風』にも打ち明けてある」
「……レイザーさん達にも?」
「成り行きでな?」
あんまりいい予感がしないけど、レイザーさんについては納得出来た。多分、『エディ』の変装でも王様だって気づいていたから……あの時に、エディとこしょこしょ話してたんだ?
「……ケントへ害を与えようとする輩は、これまで以上に追い返すまでだが」
「でやんす!」
ラティスト達は、悪い人達への撃退対策に乗り気だ。
僕はちょっとハラハラしたけど……ラティストは大精霊だから、撃退法がおっかないものだと思う。今までの万引き犯にもかなり手加減していたし。
あの豚貴族さんにも……加減するの堪えていたしなあ。レイザーさん達がいたからマシだったけど。
「警護に関しては、ラティストに任せた方がいい。俺が考えているのは、ポーションパンの流通度だ」
「うん?」
「より一層、効果の高いポーションパンはオークションで競り落とす仕組みなんだろう? あれを横取りしようとする屑連中を……敢えて誘き寄せる」
「……エディ、悪い顔」
「そんくらいしねぇと……腐った奴らは炙り出せないからなあ?」
こう言うところは、やっぱり王様なんだなあ。
前世でも今も一般人な僕じゃ、計画とかの理解が追い付かないや。
「……しかし。ポーションパンはケントしか実質作れない。流通と言うのにも限度があるのではないか?」
「ラティスト」
お師匠さんいないけど……僕が転生者って言うつもり?
イケメン神様に頼み込まれて、この世界の回復薬事情を改善するために……派遣されたって。
彼を呼ぶと、ラティストは頷いたのだ。
「ん? ヴィンクスも出来ないんだよな? そう言えばなんでなんだ?」
エディも気に出してしまった。
ここはもう。
マブダチだからこそ、エディを信じよう!
言うんだ、諏方賢斗!!
僕は……エディの手をガシッと掴みました!!
次回はまた明日〜




