第250話 爺のお説教
お待たせ致しましたー
エディが気になるのは仕方がないけど……大勢の前で披露するわけにはいかない。
いくら……ギルハーツさんやディルック様達が信用出来る人達でも。
僕もだけど……特殊なスライムであるカウルを、下手に狙われたくはない。
しゃべれるスライムってだけじゃなく……多分、あのイケメン神様が色々特典をつけて、『オープンキッチン』を合わせることでポーションパンを大量製造出来るんだ。
カウル無しでも作れる検証はしたけど……効果を比較すると全然違う。カウルのドウコンとオーブンを通すと……効果が高いんだよね?
とりあえず……お師匠さんが間に立ってくれて助かった。
「なーなー! 明日にでもリオーネ行っていいか!?」
「え?」
「へーいーかー!」
「ぐへ!?」
また凄い提案をされる前に、今度はギルハーツさんが止めてくれたので……首根っこ掴まれたエディは、こんこんとギルハーツさんにお説教されました。
「……ギルハーツ殿でなければ、無理だな」
「…………そうだね」
「……ですわ」
「……いつも、あんな感じで?」
僕が三人に聞くと、同時に首を縦に振ったのでした。
エディの部下さんでも、教育係らしいから……お説教出来るのはそう言う人だけだろうね?
ディルック様のは、あんまり聞かなさそうなイメージあるなあ。
「……………………わかったよ」
エディがそう言うと、ギルハーツさんはふんすって感じに鼻息を荒くしました。
「ケント様への勲章授与により、より一層……各地へのポーションパンの偉大さが広まるでしょう。そして……創始の大精霊様の契約者であることも、同席していた『信頼出来る同盟国などの使者』の方々から……王や皇帝達に伝わるはずです。陛下は、この国の貴族改革だけでなく……各国の改革のきっかけを与えられたのですよ?」
ほとんど一気に言い切った。凄いや……。
「それで創始の大精霊だけでなく……回復薬などのポーションの需要。我が弟子が今のところ、ただ一人『食事』として可能としていますからな。これにより、この国はまだマシになったが……他国の虫ケラどもはケントをつけ狙うことでしょう。加えて、カウルもですが」
「……あっしもでやんすか?」
「……君。さっきケントから褒められていたじゃないか」
「いやー、あっしはアナウンスいただいてからは……ケン兄さんのお手伝いだけでやんすし」
「なに!? カウル!? 君、神からのアナウンスをいただいていたのか!?」
「「あ」」
うっかり自分で言っちゃったよ、カウル!?
エディ達が目見開いているぅ!?
「……お師匠さん。もうここでお披露目した方が?」
「……やむを得まい」
と言うことで、結局オープンキッチンとカウルの変身お披露目会です。
次回はまた明日〜




