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スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜  作者: 櫛田こころ


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第25話 開店前のパン作り②

お待たせ致しましたー



「次に作ろうと思っているのは、『食パン』って言うのだよ?」


「「ショクパン??」」


「簡単に言うと、大きなパンなんだけど……切り分けたのを好きな時に食べれたり、サンドイッチにも使えるんだ」


「……サンドイッチって固いパンよね?」


「それもあるけど、今回のは柔らかいよ? エリーちゃんとラティストに食べてもらったオープンサンドもサンドイッチの種類だし」


「……あれは、美味かった」


「うんうん!」



 生地の手順についてはさっきとほとんど同じにして……違うのは分割。


 ここを、二人にも加わってもらおうと思ったんだ。



「はい。二人にはまず手袋をつけて?」



 渡したのは、オープンキッチンに常備されていた食品衛生用の薄ーいゴム手袋。これがあるとないとで作業効率がだいぶ変わると思うんだよね?


 破けないように注意してからつけてもらったら、次に計量器である量りの使い方と切るためのスケッパーの注意点を伝えた。



「……色々ルールがあるのね?」


「そのようだな?」


「特に、食パンは食感重視だからね? じゃ、生地出すよー?」



 麺台こと作業する台の上に出せば……ふにょんふにょんの生地を見て、エリーちゃんもだけどラティストも目を輝かせてくれた。



「……カウルみたいなスライムぽい」


「先ほども思ったが、これがパンに?」


「焼いたらね? じゃ、今度は大きく切るんだけど」



 食感重視だから、微調整の生地をあまり細かく切らないように……と伝えてから取り掛かると。最初は二人とも苦戦してたけど、飲み込みが早くて僕が丸めている間にちゃっちゃっと出来るようになったよ。



「手袋越しだけど、生地が気持ち良いわ! まるで、上質のクッションね!」


「……手触りがいいな」


「焼いてもふんわりするよー?」



 この生地は、長方形のプラスチック製の大きな箱……通称『番じゅう』に入れて蓋をして待機。


 そろそろバターロールの成形に時間を使いたいし、二人も手伝ってくれるならすぐに終わるだろうし。



『……楽しそうでやんすねぇ』



 冷蔵のドウコンから、バターロールの鉄板を取り出そうとしたら……ドウコン状態のカウルから、ちょっと寂しい声が聞こえてきた。



「一緒にしたい?」


『い、いや! あっしは発酵のためにこうしてなきゃ』


「時間操作すれば大丈夫だよ? 冷蔵も絶対じゃないし……今回はちょっと無理だけど、また次は一緒にしよ?」


『……あい!』



 僕の相棒のことを、蔑ろにはしたくない。


 仕事面もだけど、異世界で出会った……最初の存在だからね?



「じゃ、二人とも。バターロールの成形……形を整えようか?」


「はーい」


「バターロール?」


「あんたが食べたパンのことよ」


「あれが!!」



 もちろん、こっちの二人も蔑ろにはしないよ?


 食パンのベンチタイムが終わるまで、仲良く成形してたんだけど……切るはともかく、麺棒と格闘する二人が大変そうで、何度も僕が手助けすることになった。


 僕もプロとは言い難いけど、アマチュアと素人の差が大きいことがよくわかったよ……。

次回はまた明日〜

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