第24話 開店前のパン作り①
お待たせ致しましたー
「オープンキッチン!!」
厨房の道具とかは気になったけど……僕がキッチンを展開すれば、部屋中に白い光りが溢れて……すぐに、昨日と同じキッチン設備が出来上がってしまった。
「へー!? すっごい!!」
「あっしもここに加わるでやんすよ!!」
「え、どうやって?」
「……これは、魔導具か?」
「神様からもらった、僕のスキル? かなあ?」
説明しているのもなんなので、エリーちゃんとラティストには見学してもらうことにした。
今回作ろうと思っているのは……昨日のオープンサンドもだけど、別のも作ってみたくなったんだ。
「ケン兄さん。あっしは昨日通りに?」
「うん、お願い」
なので、お決まりのポージングと変身名を叫んだら……エリーちゃんがさらに大興奮しちゃったんだよね?
「なにこれなにこれ!? 魔導具にしても見たことないし!! ど……どぅ? これ何!!?」
「……俺も知らない」
「うーん。簡単に言うと……パンの生地が膨らんだり、それを抑えてくれる魔導具かな?」
「「全然よくわからない」」
「……まあ。見てて?」
生地の仕込みを終えて……一次発酵をする時にカウルを使えば、エリーちゃん達はさらに目を丸くしたんだよね?
「え? それどうなるの??」
「時間が経てば、倍以上に膨らむよ」
「へー? 料理は野営しかしないからよくわかんないけど」
「パンをふわふわに焼くなら、材料もだけどこの発酵が大事なんだよ」
ただ、時間操作可能なので秒で終わっちゃうけど。
それにも……エリーちゃんもだけど、ラティストは綺麗な赤い眼を丸くさせちゃった。
「じ、時間操作!?」
「高度な魔法だぞ? それをそうもあっさり……」
「神様と決めたからね? こうでもしないと、待ち時間長くて暇なんだよ」
二次発酵も並行しようとしたが、ガス抜きもあるのでまずは一次発酵。
プラスチック製のカードって板を使いながら、ボウルの中身を持ち上げてはまとめるのを完了させたら……また時間操作で二次発酵に。
すると、ボウルの中身はあふれそうに膨らんだ!!
「「……すごい」」
「これを切って……またまとめたり形整えたり。色々手順あるけど、それ守れば美味しいパンが出来るよ?」
ただし、湿度や温度などで毎回同じ生地の具合に仕上げるのは……プロでも難しいけどね? 水温は今回もきちんと計ったから大丈夫だと思うけど。
「はぁ〜〜。これからはパン屋に感謝しなきゃだわ。こんなにも手間がかかるのね?」
「僕のはだいぶ手順省いているけどね?」
「けど、凄いわ」
何度も凄いと言われちゃうと……流石に恥ずかしいなぁ。
なので、ついつい分割作業に力が入り……あっという間に終わらせた。
成形前の……冷蔵側に、鉄板に乗せた生地を入れてから。
次のパン生地を作るのに、取り掛かろうとしたんだけど。
「何か手伝えないか?」
「あ。あたしも!」
ふたりも作ってみたいのか、うずうずした顔だったので。
せっかくだから……一緒に『食パン』を作ることにしたよ。
次回はまた明日〜




