第224話 王族同士の会合?
お待たせ致しましたー
いやぁ……めでたいめでたい!!
「ケントちゃんが、とうとうエリーちゃんと!?」
俺は今、リオーネの冒険者ギルドにいる。シェリーはいないが、トラディスとだけギルマスであるラーシャの執務室に通されたんだ。
「そうなんですよ、ギルマス!! 僕とエディさん、ついつい追いかけちゃって!!」
「んふふ〜。見たかったわん!! ケントちゃんがエリーちゃんと付き合うシーン!!」
「……ギルマス。ここに記録魔導具があるぜ?」
「何ですって!?」
俺が自分のために、王家秘宝のひとつ持ってきてただけなんだけどな! 持ってきて正解だったぜ!!
なので、ラーシャ以外はもう一回見る感じになったが……見返しても、なかなかに楽しめた!!
「お付き合いですかぁ。いいなあ……」
魔導具を止めてから……トラディスは何故かしんみりとなった。たしかに……こいつもなかなかに顔がいいのに、女の縁が無さそうだ。シェリーは、ジェフのだしな?
「あらぁん? トラディス様だったら、引くて数多じゃなくて?」
「ちょ!? ギルマス……知って!?」
「ついでに言っちゃうなら……エディ様もよん?」
「へ?」
「……まあ、隠してもしゃぁねぇな?」
軽く指を鳴らせば、短髪が重たい長さまで伸びて。
軽く肩を鳴らせば、体格もちょいと変わっていく。
魔法の一種だが、ここまで変装しないと……まあ、見抜ける奴が居なくもないが、お忍びん時に面倒だかんな?
「……え? その姿」
どうやら、こっちの『本性』だとトラディスでもわかったみてぇだ。
「我が国の若き王……エリシオン=ハーヴェスト=ヒーディア様よん!」
「……えぇえ!? 本物!?」
「そーゆー、君だって王族だろ? トラディス第二王子?」
「あ……お兄さんと友達だから」
「行方不明になってたのは、俺が即位する前から聞いてたぜ?」
帰る時面倒だから、変装魔法はもう一度施して『エディ』になった。その過程を見ても、トラディスは首を縦に振っているだけだったが。
「…………あの。どーやって、ケントさんと……マブダチ? に?」
「ケントは俺の正体を知らねぇよ。ただ『エディ』として、俺はケントの人と成りを気に入っている」
ポーションパンの功績もだが……ひとりの人間として気に入っているんだ。
俺が正体を隠しても、気づかないのか『ひとりの人間』として接してくれてるんだ。レイザーとは王族同士だから気兼ねない付き合いが出来ても、初対面で俺を『俺』と接してくれる人間はそうそう居ない。
だから……気に入っているし、色々力になってやりたい。
その過程で、俺が暗殺者からさらに狙われることになっても。
「…………でも、そっか。それなら……ケントさんの後ろ盾は強固ですね?」
「うん?」
「ここ最近、馬鹿な貴族連中がお店に来ないのは……陛下のお陰なんですよね?」
「今まで通りでいいぜ?」
「と言っても、僕こうなんで」
「……マジでレイザーの弟か?」
「ははは」
とりあえず……協力者が増えるのはありがたい。
トラディスの言う通り……馬鹿な貴族連中の処罰等は、前よりは減ったがまだまだ炙り出しが出ている。
この国だけでなく……世界の情勢を変えるきっかけとなったケントのポーションパン。
阿呆な企みに、巻き込みたくねぇからな?
次回はまた明日〜




