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スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜  作者: 櫛田こころ


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第220話 対象確認

お待たせ致しましたー

 ただ、思った事を聞いただけなんだけど。


 びっくりさせちゃったのか、エリーちゃんは紅茶でむせてしまって、何度も胸を叩いていた。



「だ、大丈夫!?」


「…………大丈夫」



 僕も背中をさすってあげたからか、割とすぐに落ち着いたんだけど。


 咳込みが落ち着いたら、エリーちゃんは振り返ってきた。涙目がちょっと可愛い!!


 って、そうじゃなくて。



「ど……どうかした?」



 さりげなく、エリーちゃんに恋人がいるか聞いただけなのに。


 エリーちゃんはなんでそんな顔になっているんだろう?



「……いるように見える?」



 涙目だけじゃなく、ちょっとほっペも膨らんでいるような?


 聞いちゃいけないこと……聞いちゃったのかな?



「え? だって、エリーちゃんみたいに可愛い女の子だと。いるのかなって」


「……いないわよ。冒険者で、しかもBだから。若手でも……逆に怖がられることばっかよ」


「え?」



 レイザーさんとかは、その上のAって聞いたような?


 彼のランクを言うと、エリーちゃんは今度は首を左右に振った。



「ないないない!! レイザーとかあり得ない!!」


「……かっこいい人なのに?」


「あんな酒飲み野郎はごめんよ」



 どうやら、お好みではなかったようだ。ちょっとだけ、ほっと出来たよ。


 ジェフさんは、シェリーさんとラブラブだし……あ、トラディスさんは?



「……トラディスさんは?」


「トラディス? まあ、顔はいいけど。あいつ、片想いしてる子がいるらしいわ」


「あ、そうなんだ」



 じゃあ……トラディスさんも除外。


 ロイズさんや、お師匠さん達は……と考えて、ひとつ想い出した。


 うちのラティストだ。



「ん?」



 エリーちゃんやロイズさんとレイスの討伐でラティストを見つけたとは言え。


 エリーちゃんは、ラティストのイケメン過ぎる美貌にはへっちゃらなんだよね? 他の冒険者のお姉さん達と比べて。


 なら、確認も兼ねて聞いてみよう!



「……うちのラティストは?」


「ラティスト?」



 ああ、今聞いても。


 この子は、ラティストの『中身』を知っているからか……恋愛対象には見てないのかも。



「大精霊だし……見た目はかっこいいじゃない?」


「まあ……見た目はね? けど、顔に似合わずの……ヴィンクスさん以上の大食いじゃない? あれ、女どもが知ったら、引くレベルよ」


「……否定出来ない」


「でしょ?」



 なら、僕は決めた!!


 今言おう!!


 今は大好きなエリーちゃんと、二人きりだから!!


 だから僕は……正座に切り替え、思いっきりお辞儀をしたのだ!!

次回はまた明日〜

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