第215話 遊びに行ける
お待たせ致しましたー
エリーちゃんと、遊びに行ける。
嬉しい……すっごく嬉しい!!
エディとしか、まだ遊びに出かけたことないけど……シェリーさん達の見守り以来じゃないかな? エリーちゃんと出かけるって。
あの時は、この子を『好き』とか自覚はしていなかったけど。
「行く行く! どこに行く!?」
「そうね? 街もいいけど……のんびりしたいなら、ピクニックとか」
「いいね! ポーションパンとかは甘いのやしょっぱいの、まだ収納魔法の中にあるよ!!」
「そうなの? 今から行く?」
「行きたい!」
「んじゃ、あっしらは留守番してるでやんす」
カウルが僕の腕の中から、ひょいっと床の上に降りて……くいくいと僕の足を押したんだ。
「え? ピクニックだよ?」
「おふたりでゆっくり話してきてくだせぇ。店の留守はいないと困るでやんすよ。あっしは気にしやせん」
「俺もだ。カウルと留守番している」
ラティストも来て、同じことを言うから……エリーちゃんと顔を合わせても、『いいのかな?』って感じになった。
大勢と騒ぐのも好きだけど……す、好きな子と二人っきり。い、いいのかな? 僕はすっごく嬉しいけど。
「じゃ、じゃあ……水筒だけでも」
ちゃちゃっと、紅茶の水筒だけ用意して……僕とエリーちゃんは店から出ることにした。
外は、春間近ということもあって、色んな人が出歩いていたよ。
「門の方に行きましょう? あたしのとっておきの場所に連れて行ってあげる!」
「うん、お願い!」
デート……かもしれないけど。
僕は転生しただけだから……この世界のことは、まだまだ知らない事が多い。エリーちゃんの案内無しで、リオーネの街の外に出たら大変だからね?
考えたら……エリーちゃんの提案以来じゃないかな?
リオーネの街に来た時から、外に出ていないのって。
手こそは繋がないけど……離されず、くっつき過ぎずに人混みをかきわけて。
門の近くに来たら、兵士さん達が手を挙げてくれたよ。
「エリーじゃないか?」
「ケントまで。風邪引いてたって聞いたが」
「もう大丈夫よ!」
「僕もです!!」
電話とかはないけど……井戸端会議並みに噂広まるの早いんだなあ?
僕はずっと寝込んでいたから、エリーちゃんが風邪引いてたのって……知ったの後だし。
「今日はちょっとだけ外に出るわ。安心して、風邪はケントのお陰で全快してるし……武器も一応あるわ」
「エリーがケントの護衛なら、大丈夫だな?」
「……ははは」
好きな子の方が強いのは……仕方ないけど。
僕も、エディに認めてもらった……あのサーブを鍛えれば、ちょっとは役に立つかな?
とりあえず、外へ出る手続きはエリーちゃんのお陰でささっと終わりました。
次回はまた明日〜




