第205話 マブダチを応援したい
お待たせ致しましたー
(いや〜〜、分かり易い分かり易い!!)
マブダチの恋は、どうやら思っていた以上に周りに知られていたらしい。
まあ、ケントは分かり易いしな!!
しかも、人望が厚いお陰で協力者が多い!!
俺ももちろん……手伝う気満々だ!!
「で、ででで、デート……って、エリーちゃんと!?」
俺がレイザーらと決めた計画を宣言すれば、ケントは咳をしながらも盛大に慌てた。ただでさえ赤い顔がさらに真っ赤になったぜ。
「そうだ! デートに誘って……いい雰囲気になったら告白!! 定石だろ?」
「む……無理無理!? 一緒に遊んだこともないのに!?」
「へ? マジ?」
「…………ヘタレって言って」
嘘だろ?
いや、待てよ。
俺と遊んだ時も、リオーネの街中をあんまり回っていなかったようだし……そう考えれば、ケントは他人と遊ぶこともほとんどなかった。
なんてこった!?
「……そう言えば、エリーにもそう言う話聞いたことないです」
『シリウスの風』のシェリーがそう言うのなら、ほぼ確実。
これは……デートの前段階から、しっかりしなくちゃなんねぇか?
「……ケント」
「……なに?」
咳を何回か繰り返していたケントに、俺はまた聞くことにした。
「……君ほどの人間が、俺以外にダチいなかったのか?」
「……少ないけど。エリーちゃんは冒険者さんだから、忙しいし」
「……いやいや、遊びに行くぐらいあるだろう?」
「……好きだって気づく前は、遠慮してたよ」
「……ヘタレ?」
「……だから、そうだって言ったじゃん」
決断する時とか、結構行動力はある男なのに。
肝心の自分のことは二の次か? 悪いわけじゃないが……なんというか。
「「「ケント(さん)可愛い」」」
俺以外にも、トラディスとシェリーも同じような言葉を口にした。
お互いびっくりしたが……ケントが布団で顔を隠しているのを見て、ジェフ達も笑いを堪えるのが無理だった。
「「だははは!!」」
「……僕はヘタレですよ! げほげほ!!」
「あー、悪りぃ。とりあえず……計画はほぼ決定だ。やんぞ」
「な、なんでですか!?」
そりゃまあなあ?
レイザーらも、焦ったいって思ってたとこに俺も加わったんだ。
本気で……俺は下調べでしか人となりを知らないエリザベス=バートレインと、マブダチのケントを。
絶対絶対、くっつけてやるつもりで城からこっちに来たんだ!!
「諦めろ、ケント!! 俺もマジだ!」
「諦めて! エリーちゃんの迷惑にもなる!?」
「……なんで断られる前提なんだよ?」
「……僕、ひょろっこいじゃん」
「……いやいやいや?」
今は風邪だが、訓練場でのあの攻撃力を考えれば。
ケントは、鍛えれば……充分に冒険者でもCは固いぞ?
それを今言うと、レイザーとかが興味を持つんで言わないでおくが。
とにかく……なんで、こんなにもケントは自分を過小評価しがちなんだ?
俺のマブダチは、ポーションパンを作れるだけの人材じゃねぇのに!!
次回はまた明日〜




