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スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜  作者: 櫛田こころ


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205/706

第205話 マブダチを応援したい

お待たせ致しましたー



(いや〜〜、分かり易い分かり易い!!)



 マブダチの恋は、どうやら思っていた以上に周りに知られていたらしい。


 まあ、ケントは分かり易いしな!!


 しかも、人望が厚いお陰で協力者が多い!!


 俺ももちろん……手伝う気満々だ!!



「で、ででで、デート……って、エリーちゃんと!?」



 俺がレイザーらと決めた計画を宣言すれば、ケントは咳をしながらも盛大に慌てた。ただでさえ赤い顔がさらに真っ赤になったぜ。



「そうだ! デートに誘って……いい雰囲気になったら告白!! 定石だろ?」


「む……無理無理!? 一緒に遊んだこともないのに!?」


「へ? マジ?」


「…………ヘタレって言って」



 嘘だろ?


 いや、待てよ。


 俺と遊んだ時も、リオーネの街中をあんまり回っていなかったようだし……そう考えれば、ケントは他人と遊ぶこともほとんどなかった。


 なんてこった!?



「……そう言えば、エリーにもそう言う話聞いたことないです」



『シリウスの風』のシェリーがそう言うのなら、ほぼ確実。


 これは……デートの前段階から、しっかりしなくちゃなんねぇか?



「……ケント」


「……なに?」



 咳を何回か繰り返していたケントに、俺はまた聞くことにした。



「……君ほどの人間が、俺以外にダチいなかったのか?」


「……少ないけど。エリーちゃんは冒険者さんだから、忙しいし」


「……いやいや、遊びに行くぐらいあるだろう?」


「……好きだって気づく前は、遠慮してたよ」


「……ヘタレ?」


「……だから、そうだって言ったじゃん」



 決断する時とか、結構行動力はある男なのに。


 肝心の自分のことは二の次か? 悪いわけじゃないが……なんというか。



「「「ケント(さん)可愛い」」」



 俺以外にも、トラディスとシェリーも同じような言葉を口にした。


 お互いびっくりしたが……ケントが布団で顔を隠しているのを見て、ジェフ達も笑いを堪えるのが無理だった。



「「だははは!!」」


「……僕はヘタレですよ! げほげほ!!」


「あー、悪りぃ。とりあえず……計画はほぼ決定だ。やんぞ」


「な、なんでですか!?」



 そりゃまあなあ?


 レイザーらも、焦ったいって思ってたとこに俺も加わったんだ。


 本気で……俺は下調べでしか人となりを知らないエリザベス=バートレインと、マブダチのケントを。


 絶対絶対、くっつけてやるつもりで城からこっちに来たんだ!!



「諦めろ、ケント!! 俺もマジだ!」


「諦めて! エリーちゃんの迷惑にもなる!?」


「……なんで断られる前提なんだよ?」


「……僕、ひょろっこいじゃん」


「……いやいやいや?」



 今は風邪だが、訓練場でのあの攻撃力を考えれば。


 ケントは、鍛えれば……充分に冒険者でもCは固いぞ?


 それを今言うと、レイザーとかが興味を持つんで言わないでおくが。


 とにかく……なんで、こんなにもケントは自分を過小評価しがちなんだ?


 俺のマブダチは、ポーションパンを作れるだけの人材じゃねぇのに!!

次回はまた明日〜

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