第195話 可愛い格好
お待たせ致しましたー
どうしたんだろう?
具合が悪くなったのかとも思ったけど……シェリーさんが無理矢理毛布を剥がそうとしている感じから、違うとはわかる。
じゃあ……何か見せたくないとか?
僕に……見せたくないのかな? いつものエリーちゃんを、ちゃんと見たい気持ちはもちろんあるんだけど。
「往生際悪いわよ、エリー!」
「だ、だだだ、だって!」
「大丈夫! 絶対呆れられないから!!」
「そ、そうかもしれないけど!!」
「僕が?」
やっぱり、僕に見せたくない何かを着ているのかな?
「そうなんですよ。めちゃくちゃ可愛いかっこしてるのに、こんな感じで!」
「かーわーいーくーなーいー!!」
「そうか? 俺は良いと思うぜ?」
「おう」
レイザーさん達は先に見ちゃってる。
羨ましい……見たい、物凄く。
僕は、カウルをラティストに預け……ゆっくり、シェリーさん達の方に向かう。エリーちゃんは相変わらず毛布で見えないけど……端っこに、フリルのようなものが見えた。ってことは……スカートとか履いてる?
シェリーさんは無理に引っぺがそうとしてるのに、僕は軽く毛布の上からぽんぽんしてあげた。
「エリーちゃん。大丈夫だよ?」
僕が軽く叩くと……エリーちゃんは震えるのをやめてくれた。
「……ケント」
「……呆れたりしないよ?」
「…………ほんと?」
まだ自信がないのか、モゾっと動いているが……僕はまたぽんぽんしてあげた。
「ほんとほんと。皆さんが可愛いって言ってくれてるんだよ? 僕にも、見せてほしいなあ」
「…………似合ってないと思うけど」
「見てみないとわかんないじゃない?」
皆さんが可愛いって言っているのに……そんなにも可愛い格好なのかな?
さらに見たくなったけど、焦らせてはいけないと待っていれば……エリーちゃんはモゾっと動きながら、毛布の中から出てきた。
「……笑ってもいいから」
とか言うけど……出てきたエリーちゃんを見て、僕は口をぽかんと開けてしまった!
色は、ピンクとベージュ。
フリルたっぷりだけど……落ち着いた配置で、生地は多分冬だからコットンぽいの。
ヘッドドレスもあって……髪もいつも縛っているのをおろしているからか。
冒険者の服装とは違って……めちゃくちゃ女の子らしくて可愛い!! 忘年会の時以上に、可愛い格好!?
なんでこんな格好をしているのか? と聞く前に。
僕は、エリーちゃんの手を掴んでいた。
「すっごく、すっごく可愛いよ!! エリーちゃん!!」
「でやんすねー」
「そ、そう?」
照れちゃう顔も可愛いけど!! 僕はこの子の彼氏でもなんでもない。
友達だから……何度も手を上下に振って褒めちぎることしか出来なかった。
「じゃ、打ち上げのために持ってきました!!」
それと、メインはシェリーさんのための宴会だから……収納魔法から、亜空間収納ぽくして料理を出しました!
次回はまた明日〜




