第192話『コールスローサンド』

　とりあえず……お説教とかが終わってから、皆でフィッシュ&チップスを食べることになった。お師匠さん達もお腹ぺこぺこらしく。

　材料は十分にあったから、大丈夫だったけど。

(……ジェイドにも、僕やお師匠さんが日本の転生者って伝えたけど)

　この場に馴染み過ぎじゃないだろうか？

　ラティストとは違って、陽キャぽい性格だけど……手伝うとこは手伝ってくれたし、いいかな？

「ケント〜？　これ、フライ？　何？」

　準備が出来てから、ジェイドには改めて聞かれたのだ。

「僕とお師匠さんのいた世界でも、異国の料理。パン粉じゃなくて、粉をエールで溶いたものをまとわせて、揚げたんだよ。お芋は素揚げ」

「へー？　色んなソースあるけど」

「自分の好みで食べて？」

　僕のオススメは……タルタルソースとかお塩だけど。

　食べ方の説明を改めてしたら、フォークでザクザク切り分けていく！

　ナイフ要らずのザクザクした感触が堪らない！

「お？」

「美味いでやんすー！」

「至高！！」

「中身ふわふわ！！」

「……美味い」

　お酢や塩とか、使い方は人それぞれだったけど……フィッシュ&チップスの味には満足してもらえたみたい。

　僕もタルタルソースたっぷりで食べたけど……お魚の鮮度も良いし、衣ザクザクで美味しい！！

　いくらでも食べられそうだ！！

　とは言え……野菜不足ではあるので。

　収納魔法の中から……作り置きのコールスローのボウルと、大量にある丸パンを取り出し。

「パンとお野菜も食べましょう」

「……ケント。その組み合わせは！」

「はい。なんちゃってサラダサンドです」

　悪くない組み合わせだと思うんだよね？

　軽く魔法で炙って、切り込み入れて。

　そこにコールスローたっぷり挟めば。

【『お野菜たっぷりコールスローサンド』

　・血行促進

　・血栓除去

　・疲労大回復

　以上の効能となります

　】

　って、これでもポーションパンになっちゃったんだけど！！？

「「……ケント、まさか」」

　お師匠さんとロイズさんは勘付いたのか、僕の前に来てそれぞれ鑑定してくれたんです。

　ロイズさんは首を傾げ、お師匠さんは大きくため息を吐いた。

「血？」

「……コレステロールの塊なのに、逆に人体に良い……のは」

「どーゆーこった？」

「簡単に言えば、血の巡りが良くなるんだ」

「ほー？」

　医学は、魔法とポーションがメインのこの世界だから。

　人体学とかは……特に発展してないのかな？

　とりあえず……食べないわけにはいかないので、全員で食べたら。

(リフレッシュしてく感じ！！)

　疲れ以外……体が軽くなるような効果が出たんだ！

　これが……血行とかの効能かな？