第187話 改めて挨拶
お待たせ致しましたー
「……えぇえ?」
「ふぉー!!」
お店がお休みの日に、お師匠さんが来てくれたんだけど。
ひとりじゃなかったんだ。
「やっほぅ! ケント!!」
お師匠さんと契約しちゃったんだって言う……ラティストの弟で、創始の大精霊であるジェイドも一緒だったんだ!?
「……ジェイド。お師匠さんと契約しちゃったの?」
「うん、そうだよ?」
エディにも似た底抜けに明るい性格は、間違いなくジェイドだ。
腕には……と言うか、服の上に見たことがない模様があるけど。
「……お前、ヴィンクスと永久契約もしたのか?」
「永久契約?」
ラティストの言葉がわからないでいると……ラティストが腕まくりして、自分の腕を僕に見せてきた。ジェイドと色違いだけど、同じ模様があったよ!?
「これだ。この模様が精霊でも大精霊でも……召喚者が死ぬまで契約する証だ」
「……僕が死ぬまで?」
「そうだ」
「……えぇ?」
ラティストを助けただけなのに、僕もすんごい契約を結んでたみたい?
「そ! ただし、里へのパンの配達を定期的にするのだけは……条件として出したんだ! そろそろスタンプカード、またいっぱいになるし」
「……どうも」
僕が変装魔法とかに気付かないだけで……ジェイドは頻繁に買いに来てくれていたようだ。そう言えば……二回目の時は、精霊さん達のリクエストって言ってた。……味の保証は皆からお墨付きだしね?
「……ルゥにどう言えば」
で、お師匠さんはさっきから部屋の隅で丸まっているんだよね? 辛気臭い状態と言うか。
「ルゥさんにですか?」
「……あれも様々な精霊と契約しているんだぞ!? 素人同然の私が!! ケントのポーションパンのお陰で、ジェイドと永久契約してしまったのだぞ!!? ぜぇったい、絞められる……殺されるぅ!!」
「……優しいエルフさんですよね?」
「君はルゥの本性を知らないのだ!!」
まあ……僕が転生者なのを黙ってたことについては、お師匠さんにこめかみぐりぐり攻撃してたけど。
基本的に良い人なのになあ? シェリーさんとジェフさんの恋のキューピットにもなってくださったんだし。
けど……エディとギルドに遊びに行った時は、ちょっとだけ怖かったが。
「とりあえず……これからは、堂々と買いに来るんでよろしく!!」
「……君、自分のお顔が凄いこと分かってないでしょ?」
「えー? 兄さんに比べれば、全然普通だけど?」
「どこが!?」
これには思わず、ツッコミを入れさせてもらいました!!
爽やかで、底抜けに明るい性格のイケメンさんがお客に来たら……ぜぇったい、問い合わせ殺到だ!!
ラティストに言い寄る、諦めないあのお姉さん達でも大変なのに!!
「んー? ケントだって、顔いいのに?」
「へ? 僕が?」
僕よりお師匠さんが……と言うと、お師匠さんからもツッコミが入りました!?
次回はまた明日〜




