第180話『要らない生地達で』①
お待たせ致しましたー
(あ、でも……)
全部長方形にカットしていこうとしたが、途中であることを思いついたので……少し楕円に切り分けていく。
「……形を変えるのか?」
「ちょっと思いついたことがあってね?」
そっちの切った生地をシーターでさらに長めに伸ばし。
これとかを鉄板に載せ……カウルにドウコンになってもらってから、少しの間冷蔵庫の方でしっかり冷やす。
この間に……具材作りだ。
ほうれん草。
ベーコン。
スモークサーモン。
タルタルソース。
マヨネーズ。
レモン。
時期じゃないけど……冷凍保存していたアボカドダイス。
甘いのは……りんごの甘煮。
チーズはチェダーぽいのに、カマンベールぽいの。
これらを使って……新商品を試作してみる!!
『ケン兄さん……なんか、美味そうなものが出来る予感しかしないでやんすぅ!!』
「もちろん! 美味しいものばっかり作るよ!!」
「俺は何をすれば良い?」
「じゃあ、まずは具材の計量からだね?」
オープンキッチンに常備されている量りがあるので……ラティストはここ数ヶ月でだいぶ使い慣れたからゼロクリアとかもきちんと使い分けが出来ている。
具材を計り、混ぜ混ぜしたり……放置したりを繰り返したのがひとりじゃなくふたりで出来たので、用意はあっという間。
ほうれん草だけは茹でて、水気切るとかの手間はあるけど……ラティストが、魔法で限界近くまで絞るのはびっくりした。水気多いと包みにくいのは……ほうれん草の白パン作りで学んだのだろう。
自分が美味しいものを食べたいから……食欲の塊は凄いや。
「ケント、次はどうすれば良い!?」
そして、試作だからたっぷり食べれると言うことで……やる気に満ち溢れた表情は、まぶしい。いつも振られている冒険者のお姉さんとかには、絶対見せない顔だ。
あの貴族のお嬢さんとかも……見たら、卒倒しそうなくらい。
それはさておき、準備を進めなくては。
「えーっと、四種類作るんだけど」
りんごは、さらに薄く伸ばした生地に砂糖で甘みを足したのを載せ……くるくる巻いていく。
サーモンは、編み編みの構造にしていくので……伸ばして切り込み入れ、引っ張って。タルタルアボカドにしたものも載せ、編み編みしていくのだ!
ほうれん草のはベーコンとマヨネーズを混ぜたのに……楕円の生地にチェダーを載せ、ちょっとほうれん草達を載せたら半分に折る。
カマンベールは、半月にしたハムに挟むが……マスタードソースも使うけど……生地に切り込み入れちゃう!! 完全に切るんじゃなくて……表面にを薄ーく切り込みを斜めに入れていく。模様をつけるイメージで。あとはりんごのように巻いていくと……あら不思議。ストライプのように切り込みが浮かび上がるのだ!
「凄いな? 全て同じ生地なのに……形が違う」
「りんご以外は……ちょっとドウコンに入れて」
りんごには……粉糖をかけ、霧吹きで水をかけ、さらに粉糖をかけるのを……二度繰り返した!!
次回はまた明日〜




