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スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜  作者: 櫛田こころ


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第163話 師匠のポーション

お待たせ致しましたー


「ケント!! 何か美味そうな予感がしたのだが!!」



 さあ、皆さんで食べようと言う時に……何というか、絶妙なタイミングでお師匠さんが登場したんだよね?


 相変わらず……お師匠さんの食欲レーダーは凄いや。


 ただ、お師匠さんはすぐにロイズさんからゲンコツをお見舞いされちゃったけど。



「タダ飯食らう気か!?」


「いった!? 何をするんだ!!」


「飛び技使ってまで来れるんならもっと早く来い!? 雪かきくらい手伝え!!」


「む。しかし……ここいらの雪雲をどうすることも出来ぬだろう?」


「……それなら、お前さんの『あれ』使え」


「……わざわざ、このために?」


「ケントの美味い飯食いたくねぇか?」


「……仕方ない」



 何が起こるかさっぱりだけど……ロイズさんには、オニオングラタンスープをお師匠さんの分も作ってから収納魔法の中に入れておくように言われ。


 次に、外に出るように言われたため……寒さ限界のラティスト以外は出たんだけど。お師匠さんは、自分の亜空間収納からぽいぽいと何かを探すようにいろんなものを出していたのだ。



「……何が始まるんだろう?」


「んふぅ〜、ケントちゃんもだけどぉ。ここら辺にとっては良いことよん?」


「良いこと?」


「え? まさか……この雪をなんとかするとか?」


「エリーちゃん、正解よぉん」



 ルゥさんの言葉にびっくりしていると、お師匠さんの方から『あった!』と声が上がった。



「皆、私の周りに来ないように」



 と、お師匠さんが僕らに注意すると……緑色の綺麗な液体が入った、試験管のようなものを……雪の上に傾けた。


 こぼれていく液体が、雪に触れると……そこから、雪が蒸発するようにして溶けていったんだ!!



「わぁ!?」


「雪用ポーション! しかも、ヴィンクスさんのだから……かなり高価なものよ!!」


「え……てことは?」


「売ったら、金貨数枚必要なくらいね?」


「ふぇー」



 雪は、僕らの周りだけじゃなく……他のところも溶けていった。さらに、地面だけじゃなく……新しく降ってきた三角雪も、地面に触れたらすぐに溶けたんだ!!



「……ま。もって、一日だけだが」



 全部の薬品を流し終えたお師匠さんが……カッコよく見えたんだよね!!



「上出来じゃねぇか?」



 ロイズさんとかはこの効果をわかっていたからか、いい笑顔でした。



「……スープのためだ」


「……ほんと、食欲に忠実だな?」


「当たり前だ! さあ、ケント! 食べさせてくれ!!」


「あ、はい。……けど、ロイズさん。営業とかどうします?」


「ヴィーのポーションで溶けた雪んことは、住民らが気づくだろう。冒険者連中も、それがわかればいつも通り来るな?」


「じゃ、スープ食べた後に仕込み始めます」



 無事に営業出来るなら……ちょっとだけズレはあるけど、仕込みも何とかなりそうだ。



「俺らも手伝うぜ?」


「良いんですか?」


「……その言い方だと、私もか?」


「美味いもん食えるんなら、もうちぃっと働け」


「……くぅ」


「アタシも良いわよん?」


「あたしもです」


「……ありがとうございます」



 焼く以外は、ラティストと二人だけの作業だから……それは本当に有り難い申し出だった。


 だから……オニオングラタンスープをしっかり食べてから、手分けして取り掛かることに。


 レストランのバイト以来に作ったスープだけど……しみしみチーズパンとコンソメのオニオンスープとの相性は抜群だった!


 あと、ポーション効果にあった疲労回復のお陰で、皆さんやる気が出てくれたんだよね?

次回はまた明日〜

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