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スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜  作者: 櫛田こころ


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第161話『トロトロオニオングラタンスープ』

お待たせ致しましたー



「助っ人来たわよー!!」



 まだ夜明け前なのに、エリーちゃんが来てくれた!


 後ろには、ロイズさんやルゥさんまで!!


 さすがに、ルゥさんは水着アーマーじゃなくて普通の冬服を着ていたのにほっと出来たけど。



「エリーちゃん達! おはようございます!!」


「おはよう! 地区だとここいらだけのようね? 雪は」


「……そうなの?」



 街全体じゃないのに、ちょっと驚いた。どうやら……雪雲は街全体を覆う場合もあるが、ほんのちょっとだけの場合もあるらしい。今回は後者だとか。



「あー? かいてもかいても積もる感じが強いな? 下手すりゃあ……ここいら、閉鎖区になんぞ」


「んー? 雪かきはするけどぉ、営業は難しいわねぇん?」


「だな」


「……ありゃぁ」



 大人組がそこまで言うと……まだ仕込みを始める前でよかったかな?


 とりあえず……お店兼住居が埋まらないように、皆で雪かきをしていくことに。


 けど……大人組が言ったように、やっぱりかいたとこから積もっていくので……もう雪が止んでからかくしかないと決定した。


 なので、皆朝ご飯もまだだからと、オニオングラタンスープを作ることにしたよ!!



「……そのスープってどんなの?」



 エリーちゃんは気になったのか、作業をしようとしていた僕のところに来てくれた。



「えっとねー? コンソメのスープはわかるでしょ?」


「ええ」


「そこにね? チーズを乗せたパンを炙って、トロトロになるスープなんだ! 人によって作り方は違うけど」


「ふーん! オニオンって……ケントのパンでもある、玉ねぎのやつ?」


「そう! 玉ねぎもトロトロにするんだー」



 スープの仕込みはあらかた済ませてあるので、バケットを少し厚めにスライスして……ここからがちょっと悩むんだよね?


 カウルの電子オーブンで、チーズに焦げ目をつけるか……魔法で炙るか。


 どっちも捨てがたいけど……ポーション化してもいいや! と、カウルに変身してもらった。スープとかが入ったカップを、鉄皿に載せて……蓋を閉めて、音が鳴ったら出来上がり!!



【『トロトロ濃厚オニオングラタンスープ』



 ・霜焼け全回復



 ・擦り傷、大回復



 ・中疲労まで大回復




 以上の効能となります



 】




 と言う具合に……やっぱり、ポーション化しちゃった。


 正確にはパンだけじゃないのに……あのイケメン神様、ラティストにお説教されても、付与するところはするのかな?



「「いい匂い〜〜!!」」



 けど、オープンキッチン中に広がる、暴力的にいい匂いには女性二人がうっとりしちゃうのは無理ないか?



「お待たせしましたー。オニオングラタンスープです。……ポーション化しちゃいましたが」


「あらぁん?」


「え、マジ?」


「……マジのようだな」



 ロイズさんには、鑑定眼鏡を使って見てもらったので……その通りですと頷くしかない。



「…………いい匂いだ」



 まだ、隅で寒さにカタカタ震えているラティストは……毛布でぐるぐるになりながら、こっちに来た。暖房とかが、こっちの世界じゃないから……なんとかしなきゃいけないかな?


 急にこの雪で寒くなったもんね?

次回はまた明日〜

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