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スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜  作者: 櫛田こころ


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第154話 パン屋の日常①

お待たせ致しましたー

 今日も〜今日とて〜ポーションパンを作る〜!!


 クリスマスフェアの段取りがだいたい決まったけど、まだ改良の余地の時間は取れるので。


 僕は、いつも通り……の仕事のある日常を過ごす事にした。


 まだまだ日の出が出ない……だいたい夜中の二時に目を覚まし、ベッドから降りたら軽く準備運動代わりの体操をするのが日課だ。


 肉体労働だし、変な姿勢で体ひねったら大変だからね?


 それは、隣のベッドで寝ていたラティストにも勧めているよ? 大精霊さんだからって、実体化した肉体がちゃんとあるんだから怪我でもすると大変だもん。


 だいたい五分くらい運動したら……次は身支度。


 洗顔して、髪を整えて……ロイズさん経由で紹介してもらった仕立て屋さんで、きちんと作ってもらったコックスーツに着替える。色は僕がクリームでラティストが白。


 黒もかっこいいけど……粉を扱うから、すぐに汚れるので泣く泣く却下しました。


 この時間を過ごしている間に……身支度のほとんど必要のないカウルに、朝ご飯を準備してもらっている。最初は全然だったけど……慣れていくと、オープンキッチン内で複数の触手を使ってご飯を作ってくれるカウルは凄いスライムだ!


 さすがは僕の相棒で獣魔だ!!



「出来たでやんすよー」


「わーい!」



 今日の朝ごはんは、塩むすびに出し巻き卵と……僕が作った白だしでの澄まし仕立ての根菜スープだ! カウルの炊事能力……どんどん上がっていくなあ?


 嬉しい限りだ!



「「「いただきます」」」



 まだ外は暗いけど……僕らはこれでいいんだ。


 じっくり味わって、カウルの朝ご飯を食べたら……この後から夕方まで、ずっと……ずーっと肉体労働するんだもん。英気はきちんと養わなくちゃ!!


 ご飯を食べて全員で片付けをしたら……食後のカフェオレを飲んで、ゆっくりとした時間を数分過ごしたら。



「今日もよろしく!」


「ああ」


「でやんすー!!」



 たった三人だけのパン屋だけど……僕らのチート能力があれば、開店して数ヶ月でもだいぶ段取りがうまくいくようになってきた。


 計量。


 生地の仕込み。


 一次発酵。


 分割。


 成形。


 二次発酵。


 焼成。


 これらをルーティンが整えば、新商品が加わっても少しずつ慣れていくんだ。


 本当にお店で働いたことはないけど……オープンキッチンやカウルのドウコン。ラティストの魔法での補助があることで、慣れていくとすっごく順調に出来ていく。


 一度死んじゃったとは言え、あのイケメン神様のご厚意がなきゃ……ここまで出来なかった。


 カウルやラティストもだけど……支えてくれるたくさんの人達のお陰で、全部成り立っているんだ。本当にありがたいことだ。


 そして……短縮出来るとこはするけど、手分けして表の棚に出せるパンに梱包したりして仕上げて。


 朝……だいたい七時くらいの日の高さになると、入り口向こうに常連さんがずらっと並んでいる。この時間は討伐依頼をこなしていく冒険者さん達が多い。



「いらっしゃいませ〜!」



 僕が看板を出したら、押しかけずに順番を守って……ゆっくりとお客さん達が入っていく。


 最初の頃は押しかけ騒動があったりしたけど、争ってもポーションパンが買えるわけじゃないので……守衛さん位置に来たギルアさんや舎弟さん達のおかげもあって、今のスタイルが成り立っている。それでも、万引き犯をしようとする人がたまーにいるので……今日も一件あったが、ラティストの感知魔法とギルアさんの手際の良さで連行されていく。


 ギルアさん達には、お昼前後の空いた時間にお店に入ってもらい……午前で余ったパンをひとり二個選んで報酬代わりにしてもらっている。


 たまに、どうしても食べたい種類の時は……タダじゃないけど、割引きして購入してもらってます。


 それでも残ったパンは、ひと通りトレーにまとめてから……午前はそこで終わり。


 午後の仕込みをしながら……カウルが販売中に作ってくれていたまかないのお昼ご飯を食べることに。


 今日は、僕が何回か教えた……チーズインのオムライスだった! コンソメスープ付きで文句無しに美味しい!!

次回はまた明日〜

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